かの有名なSF作家の星新一は、受験期に英語の勉強をしなかったという。
太平洋戦争を目前に控えたその頃、自分の受験の頃には英語は敵性言語とされ、入試科目から外れるはずだという予想を立てて英語から戦略的撤退を図った彼は、自らの予想通り英語がなくなった4科目の入試形式で見事合格をきめた。
おみごと!星新一先生!一生ついていきます!(死んでるけどね。)
今日はそんな話。
英語がきらいである。
本当になんでここまでできないのか、と思うくらいにできるようにならない。
高校時代、
「英語か数学できないならダメだよ。どっちもできないのはダメ」
とどっちもできない私に文系も理系も刃を向けたという苦い記憶もある。
英語が苦手な私には当然英語コンプレックスがタケノコのようにむくむくと育つ。
故に高校時代の私はアメリカが嫌いだった。
「アメリカが、嫌い」
今改めて文字にするとインパクトがすごいと思った。
まあとにかくここで言いたいこととは、高校時代の私が坊主憎けりゃ袈裟まで憎いの根性で英語からアメリカまで嫌いになったというくらいに英語が嫌いということである。
大学に入って、米国史やら英米文学の概論やらを取って、アメリカ嫌いの方は治ったけど、英語嫌いはこれまたどうしてもどうやっても治らなかった。
そして、私は果てしない英語からの逃亡劇を繰り広げた。
そんな私ではあったんだけど、去年の9月くらいから英語の勉強を始めた。
理由は、就活である。
この世の中に星の数ほどある就活アドバイス関連の記事でTOEICというものがいつでも出てくる。このTOEICというもののスコアがないと一流企業に行けないよ、と警鐘を鳴らす記事ばかり。
なんだそれ、TOEICって何?
って思ったら、なんのことはないこれが英語の試験だった。
「おのれ…アメリカ…」と高校時代のアメリカ嫌いの私が暴れだしそうになるのを必死に抑えて冷静に色々調べてみた。
そして、調べた後に
「すいません、TECCじゃダメですか?」
と現実逃避を始めた。
※TECC・・・TOEICと形式がほぼ同じの中国語の試験。
そんな小ボケを1人でぶちかました後に、まあなんとなく勉強を始めた。
その問題の多さと題材のつまらなさに何度もゲボを吐きそうになりながらたまには本当に催しながらも私は高校時代の文法書を引きずり出してきて、一生懸命頑張ったのだ。
別に一流企業に入りたいとかそういうことではなくて。
でも、未来の私が中国から帰ってきて一流企業と呼ばれるところにエントリーしたくなった時英語のせいで夢破れるのは嫌だなあ、かわいそうだなあと思ったわけである。
で、まあ今日また解いてみて採点したよ。
惨憺たる結果だったよ!
えっと、勉強始めた時とかわらないよね?
3ヶ月よ?3ヶ月で、誤差の範囲しか変わらないって、やる意味あった?3ヶ月。
いますぐ全ての英語圏の国々を侵略し、徹底的な日本語教育を行い、英語を撲滅させる方が早くない?などという過激な思想が私の頭を駆け巡った。
流石に涙ポロポロになった私は、英語を諦める決意を………………出来なかった。
いや昨日書いたけど就活とかもはやどうでもいいんだけどさ。
昔、ちはやふるって漫画読んだ時に大好きな部活ばっかりやってる主人公の女の子が追試の勉強をボイコットした時に、彼女の勉強を教えていた男の子のセリフが結構強烈に残ってるんだよね。
あと一週間TOEICまであるんだから、とりあえずあと50点あげよう。
中国にも単語帳と過去問何回分かくらいは持って行こう。
多分、私の就活までに英語が敵性言語にはなることはないだろうし、
どっかの国が英語圏全部侵略して英語がなくなることもないだろう。
だから、私と英語の戦いはもう少し続くのである。