紋浪ちゃんの覚え書き

気になることとか拙い和訳とか

我ら95后!

 

にーはお。

今日も頑張って書くよ。

前回読んでない人はまずこちらからどうぞ。

 

 

さて、その夜張くんと殷くんのお家にお邪魔することが決定した私。

 

駅からは歩いてガヤガヤ言いながら歩いてたらすぐマンション街に着いた。

張くんと殷くんはおうちがお隣同士だった。

 

殷くんの家に行くと、お母さんとおばさんが派手に出迎えてくれた。

 

「きゃーーーー!かわいい!かわいい!座って座って!!!!」

ようこそようこそ!わー!女の子だ!かわいい!」

 

 呆気にとられている私をみて、殷くんがスリッパを出しながら、

 

「ちょっと!先生がびっくりするから!」

 

というものの一向に治らないハイテンション。

 

威勢のいい棗庄弁でを殷くんが普通語に訳してくれて何とか理解ができるようになる。

 

ここでもらった桃が美味しかったのなんのって。

 

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言葉があまり出てこないけど、あまりに美味しくて、3つも食べてしまった。

 

そのあと張くんも来て、殷くんの家族とご飯を食べに行った。

 

殷くんのパパは今回は不在。

 

なぜなら殷くんのパパは警察官で、青島にぺんぺん(習近平)が来てるから山東省全土が厳重警戒態勢らしく、全警察官は家に帰らず宿舎に待機らしい。

 

かわいそうな殷くんのパパはもう1ヶ月お家に帰れてないらしい。

 

 

もう、ぺんぺん頼むから早く北京に帰ってくれ!

 

 殷くんのお母さんには棗庄にきたばかりのころ一度だけ会ったことがあったけど、

その時はボスの背中にへばりついて一言も口をきかなかった私が、殷くんや張くんと友達になってるのを見てびっくりしていた。

 

そしてそのあと自分の息子に通訳させて色々質問して来た。

 

中国に触れれば触れるほど思うんだけど、

言語って使う人使う人で全然違う印象になるよね。

 

殷くんや張くんは別に普通語が得意ってわけではないけど、私は殷くんや張くんの中国語はわかる。

 

それは多分彼等が何を言いたいか何と無く想像がつくのもあると思うし、

彼等が私が外国人だってことを忘れないでいてくれるのもある、

私が彼等が近くにいると安心して聞けてるのもあるかもしれない。

 

 殷くんのお母さんたちは、どうして私が息子たちの下手な普通語や棗庄弁混じりの中国語は聞き取れるのに自分たちのがダメなのかとても不思議がっていた。

 

ちなみに、同居人は普通語がかなり綺麗に話せるから最初っから苦労はしなかった。

そして、私が今まで出会った中で一番聞き取りやすかった普通語はやはりボスが話す普通語。

 

 

でも、やっぱり最初は全然意思疎通が出来なかった張くんと殷くんと会話ができるのが一番嬉しいな。

 

殷くんはまだしも張くんは、普通語に棗庄弁、さらに大学があった青島の方言が混ざり合って、たまに劉ちゃんや殷くんでも苦労している。

 

ま、話は戻して。

 

優しい人たちに囲まれて楽しく会食して、

殷くんの家に戻って張くんと殷くんと3人でたくさんくだらない話をした。

 

殷くんの家はとても素敵なおうちだった。

 

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写真撮ってもいい?

って聞いたら、快くオッケーしてくれた。

 

以前私が北京の家族のところに居候してた時すんでたマンションとはまた違って面白いなあと思った。

 

私と殷くんと張くんはみんな95年生まれで同い年。

「今日は95后会だぞ!」

と、張くんは楽しそう。

 

中国の若者言葉で、○○后で○○年生まれという意味になるらしい。

 

下ネタをかっ飛ばす張くんに、諌める殷くんに爆笑する私。

 

本当不思議なんだけど、下ネタとか悪口とか良くないこと話してる時の人間の勘の良さって異常。

 

何言いたいかが分かるんだよ。

本当に!そして、聞いたことない言葉でもだいたい正確にわかる。

 

下ネタは、偉大。

 

 その日は殷くんの家に泊まった。

 

「何時に起きたらいいの?」

 

と聞いたら、

 

「明日は朝早くに僕のお母さんは出勤するし、うちには僕と先生しかいないから心配しないで」

 

うん、わかってる。

殷くんがゆっくり寝てていいよー、ってことが言いたかったってことは。

 

でも、ごめんな。

心配だわ!

 

殷くんのお母さんはとにかく親切で、あれやこれやと世話を焼いてくれてこちらが申し訳なくなるくらいだった。

 

 疲れていたのと、緊張していたのとでその夜は泥のように眠った。

 

で、次の日殷くんに朝から叩き起こされて、

 

「支度して!朝ごはん食べに行こう!名産品!」

 

と言われたから、眠い目をこすって準備をしたら、もう張くんが準備してて、張くんの運転する車に乗って名産品を食べに行くことになった。

 

「名産品ってなに?」

私がきくと、

「いっていいの?」

と、殷くん。

「だめー。」

 

なんでだめなんだよー!

 

「先生こないだ、どんなものでも口に入れて確かめるタイプだ、って言ってたよね?」

「うん」

 

沈黙。

なんだ怖いなあ!

一体私になに食べさせようっていうんだよお!

 

ってわけで食堂について、出て来たのは見た目が普通の肉まん。そしてスープ。

 

なあんだ、なんてことないじゃんか。

 

「いただきまーす」

 

あっさりしてて美味しい。

 

「おいしい、これなに?」

 

「犬!」

 

うーん、なるほど。犬か。犬ね、…

 

 

って、犬!!!

 

「おいしい?」

「うん。」

 

名産品食べに行こう、で犬が出てくる。

 

というところに久しぶりの中国を感じた。

この国でなにが起きても驚かないって豪語し始めてたのに振り出しに戻った。

 

中国、やっぱすごいや…

 

そんなわけで、そのあとなぜか3人でドラえもん見に行った。

 

 

張くんはかなりの藤子不二雄ファンで、笑うせえるすまん、キテレツ、とにかくなんでも読んだことがあるし見たことがあるらしい。

 

行ってみたら吹き替えで字幕もなくて私はついて行こうと必死になって視覚と聴覚を最大限に集中させて頑張ってる横で、

張くんはスヤスヤと安らかな寝息を立てていた。

 

「あ!この野郎!寝やがって!この私(どの私だ)が頑張ってんだから貴様もおきろ!」

 

と言いたいのをぐっとこらえて殷くんをみたら

殷くんは容赦なく張くんのお腹をギュイギュイつねって起こしていた。

 

それでも一回起こしたのに張くんはさっさとまた眠りについたからもうしょうがねえなあって空気になった。

 

結局張くんが起きたのは、ジャイアンがいいやつになったくらいの頃だった。

 

映画が終わって、張くんは気持ちよさそうに伸びをしながら、

 

「つまんなかったなあ!」

 

と切り捨てた。

 

いやいや、あんたがみたいって言ったんやで!

 

張くんに言わせれば最近のドラえもんの映画はつまらんらしい。

 

ちなみに、張くんが一番好きなのは

ブリキのラビリンス(93年)

 

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おお…わかってんじゃねえか!

まあ私たちはそのころまだ生まれてないけどな!

 

ちなみに、私は

ロボット王国(02年)が一番好き。

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あー、ドラえもんの映画見たくなって来た。

帰国したらちゃんと見よう。

いや、ドラえもんの映画ちゃんと見るってなんなんだ!?

 

 

今回のは作品の名前忘れた(中国題名だったからね!)けど、映像はすごく綺麗だったけどさっき上げた二作の中にあったドラえもんのSF的なものがごっそり抜け落ちてしまった感じがして面白くなかったんだよね。

 

多分、本来ならばクレヨンしんちゃんの映画が何年か前にやってたロボ父ちゃんみたいなことこそがドラえもんの映画に求められてることのような気がするんだけどどうなんだろう。

 

まあ、映画が終わって、2人はあと1日泊まっていけ!

 

と言い始めたけど、流石に私が疲れ果てていたので断固帰る、と主張。

 

すると、張くんが送って行くと言い出した!

 

「いやー!いいって!私BRT(高速バス)で帰るから!」

「いや、無理だよ!悪い人に騙されたらどうするの」

「じゃあ、タクシー呼んでよ!」

「高すぎるからだめー」

 

だいたい悪い人に騙される、ってどんな想定なんだ。

私そんな馬鹿じゃないし、子供でもないぞ!

あと中国ってそんな危険じゃないでしょ?

 

彼らの家から私の家まで車で片道40分。

 

「悪いからいいよ!大丈夫だから。」

 

と尚も頑なにいうと、

 

「送りたいから、送る。失敗してからじゃ遅いんだ。」

 

どんだけ信頼されてないんだ。

絶対できるのに。

 

中国来てからこんなことばっかりだ。

どんなに頑張っても中国語話しても一人前扱いしてもらえない。

 

いつも半人前で、みんな私の世話を焼こうとする。

いつになったらこの溝を埋めることが出来るんだろう。

ボスも同居人も大学の友達たちも、みんな私を小さな子供のように世話を焼く。

 

でも違うんだって。

私にだってできることがたくさんあって、そんなに心配しなくても私は死なない。

 

死なないってことは大丈夫ってことだ!!

 

みんなが世話を焼くたびに、ああこれは自分でできるのになあ…なんてなんとも言えない気持ちで「ありがとう」を繰り返す。

 

結局、張くんと殷くんになだめてスカされて車に乗ってドライブをしながら学校に帰った。

 

結果的にものすごく楽だったから、

私は心からありがとうを繰り返したら、

いいすぎだ、と笑われてしまった。

 

あー、本当にお世話になりすぎてしまった。

 

同居人も殷くんも張くんも、それぞれ問題あるところもあるけど、私はこの3人に何か返せるのかなあ。

他の人だってそうだ。

お世話になってなってなって、でも異国で自由に動けない私は彼らを手伝うことなんて夢のまた夢で恩を返すこともなかなかできない。

 

 

そんなことを呆然と思いながら、私の波乱のHSKは幕を閉じた。

 

次回は7.14、上海にて。

でも、次は上海で留学中の日本人の友達が手伝ってくれるから今回ほど波乱万丈になることはないだろう。

 

初上海だから楽しみだなあ。

 

でも、次回は絶対合格しないといけないから気が重いなあ。

 

 

というわけで今日はこの辺でおやすみなさい。