今日は本当嬉しいことがあった。
このブログに何回も登場してる劉ちゃん張くん殷くんが全員試験に合格したのである。
もともと彼ら3人は10月から日本に留学するんだけど、希望する日本語学校に入学するには日本語能力試験の5級に合格するのが条件だった。
英検の5級とおなじで一番簡単な級で、4級3級と難しくなるんだけど、1番難しいのは1級ね。
でも、三月に初めてあった頃は彼らは「あいうえお」も全く知らなかったし「こんにちは」も「ありがとう」も勿論言えなかった。
そして私も検定こそとってはいるものの「你好」と「谢谢」くらいしか言えなかった。
教え方も中国語も全然ダメな私に彼らは一生懸命付いて来てくれた。
どうすればいいかわからずにとりあえずホワイトボードに大きく「あ」って書いて読ませたり、真似させたり最初はほぼジェスチャー意思疎通をした。
それから、カタカナが出てきて、
形容詞が出てきて、動詞の活用なんかも苦労しながらも頑張って教えた。
この3人の学生に関しては私1人に任されたものだから相談できる相手もほとんど居なくて暗中模索な状態で「本当にこれでいいのかなあ」なんて不安な気持ちを抱えながら教え続けてきた。
そんな私の必死な想いも知らずに、3人は試験の申し込みを忘れたこともあったり、
本当大変だった。
七月の試験に参加するはずだったのに申し込み忘れたから6月に実施される別の試験に申し込むことになって、
私が立てて居た計画が全部崩れて1人で泣きそうになりながら教える内容を取捨選択したり自分なりに過去問を分析したりした。
で、6月10日の試験を迎えたけど、私の中で彼らの実力はまだまだだと思ってたし、何が足りないかもわかってたから、今回は無理だと思ってしつこく何回も
「今回はお試しと思って受けておいで。
落ちたらまた8月12日の試験に申し込めばいいんだから」
と言っていた。
だから私は絶対ダメだという前提のもと動いてたし、5級の過去問集をすでに発注していた。
で、試験から2週間目の今日、私は前みたいに申し込み期間を忘れたら困るということで、
「あのね、言いにくいんだけど。8月12日の試験の申し込み期間を調べてね。この前の試験の結果を待ってて申し込み期間逃して尚且つ落ちてたら日本に行けなくなるでしょ?」
と切り出した。
彼らは私の言葉に少し動揺したみたいだけど大人しく試験のサイトを開いたら、
「結果が公開されてる」
と、殷くん。
りゅうちゃんが確認すると、合格。
喜びで跳ね回る劉ちゃんの横で違和感はなかなか電波が悪いらしく繋がらない。
ちょっとまてー、ここで殷くんに落ちられたら私どうするよー、
とドキドキしてたら、
「受かったー!」
とさらに大喜び。
張くんも合格で大喜び。
喜んで親とか親戚に連絡してる3人の横で、
私はなんだか安心して涙が出てきてしまった。
なんか、中国来て何にも思う通りにならなくて、しんどいことたくさんあったけど初めて何か報われた気がした。
それに、私は彼らにたくさんの中国語を習っていていつもすごく感謝していて、彼らの親や親戚にも本当によくしてもらっていて、何にも返せないことをすごくもどかしく思っていた。
だからこそ、今回彼らを合格させることができたことで小さいけど恩返しができたような気がして。
彼らに何かあげられた気がしてすごく心が軽くなった。
でも大喜びする彼らが少し羨ましかったり。
だって、私の今回のHSKは絶対にダメだったから。
私はいつになったらこんなふうに大喜びできるんだろうなあ。
最近は片時も中国語とかHSKのことが頭の中から離れなくて毎日すごくしんどい。
私も早く合格して彼らみたいに清々しく喜びたい。
この期に及んでそんなことを思ってら自分がちょっとだけ嫌になった。
そのあと佐藤さんたちにお礼を言いに言った。
そもそも彼ら3人も教えることになった時ボスが私にくれたのは試験の過去問集だけだった。
あいうえお、も知らない子たちに過去問とかせるなんて無理だ。
それで、どうすればいいか困り果てた私に佐藤さんや倫子さんたちは教科書を紹介してくれたらアドバイスしたりしてくれたのだ。
それから階下の佐々木先生にもお礼を言いに行った。
とにかくいろんな人が助けてくれて3人を合格させることができたわけだから、私は本当に感謝している。
今日、合格して喜んでる彼らを見て私は大学二年生の頃を思い出した。
本格的に中国語を勉強し始めたあの頃初めて受けた中国語検定の準4級。
あれに受かった時はうれしかった。
そのあと4級まではするっと合格して、その先のら3級で壁にぶち当たってしまった。
それからは中国語の先生の勧めでHSKに切り替えたけど、そこでも4級で壁にぶつかり、5級に泣かされ、今6級に精神を蝕まれてる。
語学の検定は正比例のグラフみたいな難易度の上がり方じゃなくて、
二次関数みたいにいきなりわけがわからないほど難しくなる。
殷くんと張くんは最終的に1級に合格しないといけないし、
劉ちゃんは2級に合格しないといけない。
でも、それは今日合格したものよりも想像がつかないほど難しくて困難なことだということをその壁にぶつかるまでは分からないんだろうなあ、と思った。
3人が合格して安心してしまった私は安心しすぎてふらーっと来て、明日ある期末試験の勉強とか授業の準備が何もできてない。
ボスが3人を連れて来た時、
彼らが日本に行けるかいけないかその全てがあなたにかかってるんですよ。
あなたが彼らを試験に通さなければ彼らは日本に行けません。
って脅迫じみたことを言ってたけどそれが自分の中で思ったよりも重りになってたみたいだ。
でも、今となってはこれで良かったんだ、と思う。
多分落ちてたらこんなこと思ってないけどね。
私は彼らのために最大限の努力をしたし、それが全員合格っていう最高の形で帰って来たんだからそれでいいのだ。
そして、いきなりやって来た22そこらの中国語もろくに話せないような外国人の私を信じてついて来てくれた彼らにちゃんと報いることができたことが今はたまらなく嬉しい。
試験が終わって開放感に酔いしれる彼らに明日からはまた日本語をちゃんと教えて、次なる目標にむかって勉強させないといけないし、私は引き続き命がけで中国語を勉強しなければならない。
なんにせよ、今日はとにかくいい気分だ。
明日明後日の地獄のフラストレーションを乗り切ったら大好きなお休みの日の土日がやってくる。
そんな感じで今日はお休みなさい。