紋浪ちゃんの覚え書き

気になることとか拙い和訳とか

標高4680をめざせ。波乱の玉龍雪山!

にーはお。帰国まで2週間切った私です。

帰国までにちゃんと旅行記をかききろうと決意した紋浪です。

 

さて、遠い昔に書いた前回。

 

 

 

 

麗江にたどり着いた私。

 

さて、麗江での私の目標は玉龍雪山風景名勝区という場所。

 

ここを目指す目的はただ一つ

 

標高4680メートルを体感したい!

以上!

 

バカと煙は高いところに登りたがる、というけど私はバカだから高いところが好きだ。

 

単純だろ?

文句あるか!おおん!!?

 

まあとにかく、そんな軽いノリで私が動くときは大体痛い目にあうのだ。

 

てなわけで、ゆるーく地球の歩き方を読んでゆるーく出かけた私。

 

紅太陽広場とかいうところからバスが出てると書いてあったので目指す。

 

 

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おお!アカだ!

…すいません悪ふざけが過ぎました。

 

で、どっからバス乗れるんだろー、とキョロキョロしてたら愛想のいいおっさんが声をかけてきた。

 

玉龍雪山いくんだろ?乗れよ」

 

乗り合いのバンに客を詰め込んで連れて行く白タクシーである。

 

後一人乗れば発車状態。

 

てなわけで、乗りました。

やめときゃいいのにね!!!!!

 

バンの中にはやっぱり2組の中国人家族がいた。

 

彼らは乗り込んできた私にも話しかけてきてくれて仲良くなった。

 

私たちを乗せたバンは山を登り、どんどん街が遠くなる。

 

もしここで降ろされたら私はどうなるんだろう。

 

などと呆然と考えた。

 

で、そんなこと考えてるうちに白タクのおっさんが

 

「おりろよ」

 

といってきた。

 

まーじで?

ここ山の真ん中ですけど?

 

と思ったけどおっさんにいわせればこのまままっすぐ行けば着くというので渋々歩くことにした。

 

周りはなにもない山道。

 

心細いけどおっさんの言葉を信じてトボトボ歩くこと1時間くらい。

 

断言する。

この1時間は私の中国横断旅行で1番怖かった1時間だった。

だって、すでに標高は3000メートルくらい。

こんなところで迷子になったら私はどうなっちゃうんだろう。

 

ああ、こんなことならちゃんとリサーチしてくるんだった。

ああ、日本のお父さんお母さんそして弟たちよ、お姉さんは遠い異国の高い山で冷たくなって帰国するかもしれませぬ。。。

 

などと考えていたら、大きな門が出てきた。

 

間違いない。

玉龍雪山の入り口の大きな門だった。

 

泣きそうになりながら走っていくと、なんということだ。

 

車でしか入場ができない!!!!

 

そう。

玉龍雪山は入り口は車しか通れないのである。

ゆえにしないでチャーターしたタクシーで行く場合は必ず門まで送ってもらわなければならない。

 

というか、普通は送ってもらえる。

 

つまり、私が乗った乗合タクシーの運転手のおっさんは飛んだ糞爺だったのである。

 

泣きそうになりながら近くを警備してるおっさんのところに行くと、わけがわかってなさそうな外国人の私の身を案じたのか、若いおまわりさんを呼んできて、私の面倒を見るように言った。

 

さながら迷子センターの光景である。

 

お兄さんは次々に入ってくる車に席が空いてるか?と問いかけて、私を乗せてくれる車を探してくれた。

 

で、私はそのお兄さんの後ろでべそをかいていた。

 

なっさけねえなあ!みっともねえ!

 

まあ、なんとか親切な中国人の人たちが車に乗せてくれて私はなんとか玉龍雪山風景名勝区に侵入…間違えた。入場することに成功したのである。

 

どう考えても運だけでのりきっていた。

 

おまわりさんは私が変なところで降ろされたことに怒っていて、私にもちゃんと信用できるタクシーに乗りなさい!

 

と注意していた。

 

私はしょんぼりと、「ごめんなさい…わかりました…」と反省する羽目になった。

 

本当に「旅慣れてきたぜ!私!」とイキリ始めてすぐこれだから神様はよく見てるなあ、と思った。

 

で、玉龍雪山に入ったあとは中国人の人に丁寧にお礼を言って車から降りて兼ねてからの目標だった標高4680メートルにいけるロープウェイを探すことにした。

 

この時の私がなぜこんなに標高4680メートルに至りたかったのかは今なおわからない。

とにかく高揚した気持ちでひたすら標高4680メートルの空気を吸い込むことだけを考えて広い公園の中を歩き回った。

係のおじさんに「4680メートルってどこ?」とトンチンカンな質問をしたけど、おじさんは私を心配して標高4680メートルロープウェイ行きのバスが出るバス停まで私を送ってくれた。

 

私は大喜びでバスに駆け込みロープウェイの乗り場までたどり着いた。

 

そこからチケットを買う前に私は買いだめしていたチョコレートをモサモサと貪った。

 

雲南省の特徴として、とにかくそこらかしこにチョコレートが売ってある。

これには理由があって、標高が高い雲南省では高山病になってしまう人がとても多いという事がある。

そして、この高山病を予防するにはどうすればいいかというと血糖値を上げることが効果的とされていて、その為にチョコレート。

 

というわけである。

 

ゆるーくリサーチした私ですら、玉龍雪山に登る前にはチョコレート大事!

 

という情報をキャッチしていたのでとにかく、これ幸いとばかりにたくさんチョコレートを買って食べた。

 

チョコレートを食べる正当な理由ができる、雲南省は最高だ。

 

で、ぼんやりしてさてチケットでも買おうかなあと思っていたところ、

 

いきなり係員に乗り場に連れていかれてしまった。

まだ酸素ボンベもコートも用意できてないのにあっさりチケットを買わされて待合室へ。

4680メートル。寒いのは良くても酸素ボンベがないなんて絶対無理だ。

 

周りを見回したけど酸素が買えそうな場所はどこにもない。

私は絶望的な思いでロープウェイの順番を待った。

 

と、その時だった。

 

「ちょっとあんた、酸素は?」

 

と大量の酸素を持ったおばさんが話しかけてきた。

酸素売りのおばさんかなあ。

ラッキー。割高でもいいから買おう、と思って、

 

「ないよー。いくら?」

 

と聞いたら、

 

「酸素なくてどうやっていくつもりだったの?!」

 

とすごい剣幕でまくしたてられてしまった。

いやー、勘弁してくれー。買うから、説教はやめてくれよー。

 

と、どんよりしていたら。

 

「はい。」

 

とおばさんは仏頂面で酸素ボンベを押し付けてくるりと私に背を向けた。

 

え?なにこれ。

 

おばさんは家族と思しき人たちの元に戻っていって楽しそうに話している。 

 

え?酸素うりじゃなかった?

ただの心配すぎてたくさん酸素買ってた人だったの?

 

じゃあ、この酸素はおばさんが私のこと遠目に見て心配してくれたものだった?

 

ポロポロと待合室で泣きそうになるのを必死にこらえた。

 

おまわりさん。

車に乗せてくれた中国人家族

バス停のおじさん

酸素のおばさん

 

みんな知らない人。

みんな私のことなんてどうでもいい人。

 

それなのになんでこんなに無条件に優しさを投げ出してくれるんだろう。

 

おばさんがくれた酸素を抱きしめて、ロープウェイに乗って標高4680メートルへ。

 

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徐々に記録雪景色へ変わりゆく風景をぼんやり見ながら、到着!

 

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この日は八月ど真ん中。

真夏なのにみんなレンタルしたこーとをきていてとにかく寒かった。

 

ここを少し登ると頂上の4680メートルに至るんだけど、張り切って登り始めた私はすぐに歩けなくなってしまった。

 

呼吸はできているはずなのに、空気が肺に届いていない感じ。

心臓の音がバクバクといつもの何倍もうるさくて変わった頭に血がのぼる感じ。

 

すぐにおばさんがくれた酸素の封を切って吸い込んで立ち上がって登り始める。

 

ゆっくりゆっくり少し登っては酸素を吸引し、少し登っては酸素を吸引しての繰り返し。

 

頂上にたどり着く頃には酸素も底をつきかけて、私は疲れ果てていた。

 

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頂上には4680メートルの石碑があって、中国国旗がたなびいていてみんな記念撮影をしていた。

調子に乗った私も記念撮影をしたかったけど、一人旅だから自撮りをした。

2枚まで私が頭に掲げてるのはおばさんにもらった酸素ボンベである。

 


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てなわけで標高4680メートルを心ゆくまで堪能した私はロープウェイに乗り込み下まで降りた。

 

下に降りると徐々に体に血が巡り暖かくなっていき呼吸が楽になるのがわかった。

 

よく標高の高い場所出身の人がマラソンが強い、というのを「そんなことあるか?」とイマイチ理解できていなかった私だけど今回わかった。

 

あの標高で普通に生活している人の肺はすごい、と。

 

まあそんなわけで、いろんな人に助けられて謎の願望標高4680メートルに至る、というのを叶えた私の話は今日はここでおしまい。

 

次回で旅行記はいよいよ最終回、シャングリラ編へと移行するよ。

 

またみてね!