紋浪ちゃんの覚え書き

気になることとか拙い和訳とか

張家界への旅

 

にーはおにーはお。

私です。

最近度々ツイッターが凍結されて悲しみに飲まれてる紋浪です。

 

てか、こっちはVPNまでしてわざわざ使ってるのに、そんな健気な利用者を「不正なアクセス」の一言で凍結しに来るツイッターひどくない?ひどいや!

 

まあそんなことは置いといて。

 

この日はまず、長沙の汽車の駅に行ったよ。

ちなみに、高鉄の駅は長沙南駅。

長距離汽車の駅は長沙駅だよ!

 

覚えてても98パーセント役に立たないよ!

 

で、この日の私の予約した列車がこちら。

 

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朝早いよー。

寝ぼけたまま早朝の地下鉄に乗って駅へ。

まだ外は暗くて私の泊まったホテルの怪しいイルミネーションがともっている。

 

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長距離電車はいろんな席があるけど、私が予約したのは寝台列車の一番下のランクの席。

 

今まで寝台列車が怖くて多少値が張っても頑張って高鉄を使って来たけど、今回は寝台列車しか方法がないから仕方がないのである。

 

乗り方は高鉄とおなじだけど乗り込んだ途端私は言葉を失った。

 

というわけで、まず私のチケットがこちら!

 

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17号車の22の上

 

って書いてあるからとりあえず17まで行って22を探すと端っこにあった。

 

よくわからないまま上と書いてあるから上まで登ると、こんな感じ。

 

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永遠とこんな小さなベットが3段ずつ重なって連なってるのをみて私は昔テレビで見たオウム真理教の蜂の巣ベッドを思い出していた。

 

[参考画像]

 

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そんな蜂の巣ベット、じゃない寝台列車のベットの三段目の上からの景色はこんな感じ。

 

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 私がハシゴを登って自分のベッドにたどり着くと私を出迎えたのは前の人が残して行ったであろうゴミであった。

 

えー!寝台列車て布団枕もあるのに前の人が出て行ったら次の人が乗るの?

 

まじかー!

 

と開いた口がふさがらず、思わず隣のベッドにいた知らないおっさんに、

 

「あ、あのー。ここって人いますか?」

「いないよー、さっき降りたよ!」

「えっ、でも…いや、なんでもないっす」

 

愚問だ。

一番安い席を買ったんだからこれくらいのことあってしかるべきだろ。

 

私は泣く泣くベッドの上のゴミを集めてゴミ箱まで捨てに行った。

 

幸いゴミを捨てればベッドは綺麗なものだった。

 

ふわっと一息ついた私をおっさんは面白そうに見ていた。

 

「あんた、寝台列車は初めて?」

「そうっす」

「そんなことだろうと思ったよ。何歳?」

「22です」

「ひとりかい?」

「はい、」

 

おっさんと話していたら切符のチェックが来たけど、おっさんは手際よく私の分も話を通してくれた。

 

ありがたい限りである。

 

 前の人の使った布団にくるまることは別に抵抗はなかったけど、枕だけは何だかなあ…と微妙な顔をして見ている私に、なにを思ったのかおっさんは、

「枕変えてあげようか?」

と言っておっさんの枕を差し出してきた。

 

おっさん…。ありがとう。

 

でも、誰が使ったかわからん枕→おっさんの使った枕では、平行移動なんだ。

 

でも私のために気を砕いてくれたのは嬉しい。

心の底から嬉しい。

ありがとう、おっさん。

 

てなわけで、私と知らないおっさんの愉快な旅がはじまったぞ!

 

おっさんは話好きですぐに近所のベッドのおっさんと仲良くなってでかい声でおしゃべりを始めた。

 

毎度思うんだけど中国人のコミュニケーション能力の高さは一体何なんだ。

 人に話しかけることにためらいが全くないし、初めてあったのにズケズケいろんなこと聞くし、それに対して当たり前のように答えて行く。

 

私はまだ体調が回復していなかったので、

こんこんと眠った。

 

こんなとこで寝れるかよ!

 

と、当初こき下ろした寝台列車のベッドは、電車の程よい揺れのおかげで何だかすぐに眠くなってしまいよく寝ることができた。

 

周りの人たちは電話かけるし子供は走り回るしおっさんの大声もうるさいけどどんどん遠くなって行く。

 

幸せな夢を見た。

起きたら私は日本にいて、大好きなコンビニのおにぎり(梅干しとシャケ)を食べていて、カップスープにお湯を注いでいる。

 

なんて幸せなんだろうか。

 

とお湯が注ぎおわった後でいきなりおっさんに腹を叩かれた!

 

 

「おきろー!」

「え…なあに?」

「切符が返ってきたぞ!」

 

この寝台列車では最初の巡回で乗務員さんに切符を預けてカードをもらって、降りる前に再度乗務員さんが巡回に来て切符を返してくれるという仕組みになっている。

 

高級ベッドから私が乗ってるような安い席、さらには立ち乗りの人もいるから勝手に高い座席に座る人がいないように巡回があるらしい。

 

 乗務員さんから切符を受け取ってぼーっとしてる私におっさんは、

 

「おいお前さん大丈夫か?」

 

と心配そうだ。

 

「大丈夫大丈夫。眠いだけ」

「張家界いくのか?」

「うん。あの景色が見て見たいんだ…」

「そういや、あんた。さっきから思ってたけどどこの人?」

「日本!」

「えー!ほんとかよ。この辺りの人じゃないと思ってたけど外国人だったんだね。すごいなあ。1人でこんなところまで偉いねえ」

「えへへへ」

 

おっさんはそれからもマシンガントークを繰り広げおっさんの友達も加わっていろんな話をした。

 

 おっさんに言わせれば、私はぼーっとしてて子供っぽいらしく、これから先の方が心配だという。

おっさんの友達たちもおっさんの言葉に頷いた。

 

「いいかい、危ないことだけはしちゃダメだよ。簡単に人のこと信じたらダメだし、ちゃんと気をつけるんだよ」

「うん。わかった!」

 

言葉があまり喋れないのと、身長が低いせいで私はとても子供に見えるらしい。

 

おっさんたちは心配そうに降りていく私を見送ってくれた。

 

降り立った駅はこんな感じ。

 

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張家界の駅はどでかくてなんだか迫力があった。

 

 

 

私が目指すのは武陵源

 

武陵源にいくにはさらにここからバスで1時間と少し揺られる。

 

だらだらと歩いてバス乗り場に行ってバスに乗り込み、ようやく一息ついた。

 

 ホテルはバス停から徒歩数分のところを予約していたし、完璧だな!

 

と喜んでいたのもつかの間。

 

ホテルまでの道筋を百度地図(中国の地図アプリ)で検索すると、徒歩4時間半と出てきた。

 

冗談じゃねーや!殺すぞ!

 

と叫びそうになったが、殺すにしてもなにを殺せばいいのかよくわからないし、もはや泣きたくなってきた。

 

どこまで私はポンコツなんだ。

 

道端で今にもおいおい泣き崩れそうになってる私に、いきなり気のいいおっさんが話しかけてきた。

 

「さっきから困ってるみたいだけどどうしたんだい?」

 

明らかに怪しい雰囲気に、

 

「いえ、問題ないです。大丈夫です」

 

私の警戒心もマックス。

 

さっきのおっさんたちも言ってた。

簡単に人を信じるな、ってね。

 

しかしここで引き下がるおっさんではない。

「いいじゃないのー、いうだけ言ってみなって、いうだけタダじゃん?」

 

などと微妙に的を得たことを言い始めた。

 

まあ…確かに。だいたいこの人が白タクかなんかの客引きだとしても徒歩4時間半、車で2時間の道のりを連れて行けるわけがないのである。

 

「いや、ホテル行きたいんだよ。予約してた。

でもさあ、さっきアプリで検索したら4時間半かかるって出てきて困ってるの」

 

「えー、なんて名前のホテル?」

 

と書かれてからホテルの名前をいうと、

 

「え?それだったら5分で着くよ」

 

というおっさん。

 

まじかおっさん!

あんた、ワープできるのか。

4時間半を5分だなんて時空を歪めて時を超えなきゃ無理だ。

 

このおっさんにそんな特殊能力がない限りは怪しすぎるぞ。

 

「嘘でしょ?」

「うそじゃないよー、この辺あちこちが自然保護区に指定されてるからそれ全部避けようと思ったらその辺全部一周してそんなバグったおかしな数字が出てくるんだよ。」

 

なるほど…。

まあこの辺でうだうだしてても仕方がないし、行ってみるか!

 

ってことで。

 

「いくら?」

 

と聞くと

 

「8元(136円)」

 

安いなあ!

 

というわけでおっさんについていくとそこには…

 

一台のバイクが止まっていた!

 

げー、バイタク(バイクタクシー)の客引きだったかー。

 

バイクタクシーとはその名の通り、バイクのタクシーで、運転手の後ろにまたがって移動するというもの。

 

ヘルメットなんで贅沢なものかぶせてもらえるわけもなく当然ノーヘルで事故率も高いし、運転手もゴロツキみたいな人間が多いらしく、絶対に利用してはいけないとネットでも本でも書いてある悪名名高き移動手段である。

 

 もしこのおっさんがバイタクの客引きだと知ってたら絶対ノコノコついて行ったりしなかったのに…。

 

とわたしは遠い目をした。

 

しかし今更乗らないなんていうのもアレだし。

寝台列車で眠ったとはいえまだまだ疲労が残っていたのでさっさとホテルに行きたくて、わたしは意を決してバイタクに乗ってみることにした。

 

この決断が数日後の悲劇を生むことをこの時の私がまだ知る由もないが、これはまた次回の話である。

 

 バイタクの運転は非常に荒く、

その運転手のおっさんも本当にロクでもなかった。

わけのわからんスピードで走りながらグラグラ揺れて時に車やトラックとぶつかりそうになり派手にクラクションを浴びせられるおっさんの後ろに乗ってる間は「生きた心地がしない」とはこのような状態のことをいうのか!とのちに納得するほど恐ろしいものだった。

 

さらに、そんなアホみたいな運転をするおっさんはというと、

「お前!どこ触ってんだ!」

ってところを触ってくるし最悪である。

 

そしてしきりに電話番号を聞いてきてと今夜遊びに行こう、を繰り返す。

 

もうどっから怒ればいいのかわからなくなってきた。

 

でもまあ、おっさんは本当にわたしを数分でホテルまで送り届けてくれた。

 

 そして、長沙から絶え間なく続いていた頭痛と体の不調も、バイタクを降りる頃にはすっかりどこかへ吹き飛んでいた。

 

命の危険を目の前に、覚醒したのかなんだか知らないけど、体調が戻ったのはいいことだ。

あのロクでもないバイタクのおっさんに少しだけ本当にちびっとだけ感謝しておくことにした。

 

てなわけでホテルについたのである。

 

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こんなところ。

素敵でしょ?

 

 

てなわけで、とうとう長旅の末武陵源にたどり着いたポンコツ紋浪ちゃんの観光日記は明日に続くよ。

 

私がこの日すすった米线(米粉ラーメン)の写真を最後に、今日はこの辺でさようなら!

 

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