こんにちは、何日かまえに石に齧りついても諦めない、などと勇ましいことを言ってたけど、石をかじったら歯が折れるということに気がついた私です。
写真は今日の私の昼飯です。
プルコギみたいな味の肉のサンドイッチ。
期待しないで一口かじったら想像以上に美味しくてびっくりした代物。
明日も食べよう。
北京に来て1週間。
なにしてんの?って、ずっとクリープハイプ聞いてる。
クリープハイプってバンドの曲をずっと聞いてる。
中国きてから好きになった。日本にいた時は見向きもしなかったくせに。
なんとなしに入れてたアルバムを聴いてたら好きになってしまった。
歌詞がいいんだ。
汚い街の隅で見つけた黒い流れ星に
時間もないから単刀直入に、
幸せになりたいと願った。
誰かが吐いた唾がキラキラ輝いてる。
いやよ、いやよも好きのうち。
いいことある生きてればそのうち。
あれよあれよともう月夜。
見上げる帰り道。
_____誰かの吐いた唾がきらきら輝いてる
この曲が本当に好き。
今の自分にぴったりで、何回も何回も聞いてしまう。
実際北京、いたるとこに人が唾吐いてるから。
これは本当。隣の人がいきなり植え込みに唾吐くからびっくりする。
それも勢いよく何回も吐く。
ま、そんなこと置いといて。
毎日楽しそうな記事書いといてあれだけど、今絶賛(誰もしてない)中国人酔いをしている。
今日はそんな話。
中国語が難しい。
北京に来て本格的に勉強してわかった。
中国語は難しい。
いや、どんな言語も外国語ならば難しいことはわかってる。
母国語でも美しい文章を書いたり教養のある発信をしようとすれば難易度は高くなる。
言葉には終わりがない。
人間という生き物に生まれたからにはずっと言葉を使い言葉を学び続けなければいけない。
そんな理屈をすっ飛ばしても叫びたい。
中国語が、難しい。しんどい!
とね。
その理由の一つとしてこの中国語を使って相手にするのが中国人であることが挙げられるように思う。
例えば。大学生でも誰でもバイトしたことあるなら外国人のお客さんが来た時お金を出し間違えたり、困ってたら付き合ってやろう、という気持ちで笑顔で対応まではいかなくとも待ってあげるし、なんとかしてあげようとしたと思ったことがあると思う。
中国にそんな優しさはない。
中国人、こちらが外国人とわかると平気で嫌な顔する。
ひどい時は無視する。
道を聞いても答えないことも多い。
教えてくれても顎で指示したりする。
さらに困ってたら割り込む、割り込むで済めばいいけど押しのける。
「外国人が手間取ってるんだよ」と中国人のお客に嫌そうに世間話を始める。
(なまじ初心者じゃないからこの辺が断片的に聞き取れてくるのがまたしんどい)
でもしょうがない。
中国人は身内や友達には日本人に考えられないほど優しくて、暖かいけど基本的に他人に興味がなくて、
私は彼らにとっては完全に外の人なんだ。
そう割り切って来たはずなのに実際にやられたショックは大きかった。
そんなわけで果敢に話しかけてみて何回もこんな対応をされた私は、珍しくしょげかえってすっかり中国人恐怖症になってしまった。
話しかけようとしても怖くてできない。
電車の中でもずっと日本の音楽を聴いてひどい時は落語を聴いてる。
立川志らくの大工調べ聴いてる。
救いようがない。
いや、なんのために中国に来たんだ私。
お前は中国人と対等に渡り合えるようになりたくて中国に来て自分を鍛えたかったんじゃなかったのかー!
そんなことで目標が達成できるのかー!
殺せー!弱い自分をぶん殴れ!
と頭の中で叫んでる自分がいるのに体が動かない。
中国人、怖いよ。
体の全部の細胞が叫んでる。
でも、これは悪いのは私なのである。
「え?中国語勉強してるの?わざわざ外国から来て?歓迎歓迎」
って優しいおおらかな笑顔。
みたいな態度を無意識に期待してた私が悪い。
甘い、砂糖より甘い、甘すぎて苦いよ私。
これから山東省の片田舎にいったら、ここ北京よりもっと外国人なれしてなくて、そっけない人たくさんいるかもしれないのにそんな認識でどうするの。
しっかりしてくれ。
今まで二回中国に来ててこんな気持ちになったこと一回もなかったのになんで今回に限ってこんな気持ちになるのかと考えてみたら、多分後がないからだと思う。
前来た時は伝わらなくても、
「いつか留学すれば、長期間いれば話せるようになるから今回はいいや」
って考えてた。
でも、今回は?
十一月にこの国を出る時、話せるようになってなかったらその先は?
考えただけでも怖い。
そしてこれに拍車をかけるように語学堂の授業は、日本でやってたのと比べ物にならない速さの中国語教材を使って行われるから、とても難しくて。
そして授業を終わって電車に乗ってる時聞こえて来る中国語はその教材より速くて。
私はすっかりまいってしまったとさ。
日本人の中にいることがどれだけ心地いいことか、ということを日本を離れて初めてわかった。
日本人から切り離されて初めて感じることができたと思う。
どんなに日本語の流暢な中国人がいてもそれは中国人で日本人ではない。
差別的発言に聞こえるかもしれないけど、流暢で綺麗な日本語を話しながら電車を割り込むようなそんな言葉と行動の不一致がとても大きい印象を与えることを肌で感じた、ということが言いたいのである。
日本人のもつ独特の間合い、距離感、言わずとも察するあの感じ、そして何より約束を重んじ破らず、和をもって尊ぶ…
そんなことを日本にいた頃の私は、
「日本人はだからダメなんだよ。外国では言いたいことはちゃんと言わないと〜うんぬんかんぬん」
と得意げに言ってたけど、
日本人に囲まれて日本語に守られている母国という空間は私が思っていたよりずっと私に染み込み、私を包んでくれていたのだなあと思った。
でもあえてそこから出て来て、中国という土俵に上がってしまった私は、この国でこの国の人とやりあうことができるようになることに自分の活路を見出し、自分の武器にしたいと思って。
なんでもすぐに諦めて中途半端になる私が唯一妥協せず手に入れたいと思ったのが中国語という力ならば。
こんなところで立ち止まってる暇はない。
中国人が怖いなんて言ってる場合ではない。
いろんな人が私が中国に行くときに、
「ダメだったら戻っておいで」
と言ってくれた。
でも、ダメだった時の未来なんてない。
ちょうど今日は3月1日。
就活解禁の日で、私はマイナビもリクナビもいれずにこの就活解禁を見送る。
もう戻ることなどできないし、帰国してもただ留年した五年生になるだけ。
振り向かずに前へ前へ。
前にしか進めないからいまは取り敢えずしゃむにむやるっきゃない。
いきなりじゃなくてもいい。
取り敢えず明日から中国人が怖いなら一人でもできる文法とか単語とかの勉強して、少しずつ慣れていこう。
そして絶対5月にHSK6級に合格して、この渡航の終わりには必ず中国語をこの手に凱旋帰国してやるんだ。
今日は面白くもないブログ書いてごめんなさい。
明日からはまたいつものように楽しい話たくさん書くから懲りずにみに来てください。
ではでは。