紋浪ちゃんの覚え書き

気になることとか拙い和訳とか

紋浪中国見聞録① 中国人は繋がる音もなく

 

さてさて!最近書くことがなくて、

と言うか就活中であまり変なこと書けねーなあ!と思って勝手に自主規制してる私のブログは深刻なネタ切れなので、連載を始めてみることにしました。

 

中国に一年インターンシップで住んで、

中国人と自分なりに頑張って向き合ってきた私。

 

いろんなところで、

 

「ええー!!まじで?」

 

と度肝を抜かれてきたのでそれについてつらつら書いていきたいと思います。

 

私が中国で出会ったのは、田舎の有名大学ではない無名大学の学生と、高校生とおっさんたちです。

 

そのあたり頭において読んでくれると嬉しいっす。

 

ではではレッツゴー!

 

中国に来たばかりの頃、ボスは小さい子供に言うように私に、「人脈を大切にしなさいね」と言った。

 

私が困ってしまって、

 

「ねえねえ、先生。人脈ってなんですか?」

 

と私が問いかけると今度はボスが困った顔をした。

そして、諦めたように笑って、

「そのうち嫌でも分かるようになる。」

と誤魔化されてしまった。

 

人脈

 

その言葉の意味を私は、一年と短い中国生活ではあったものの十二分に思い知った。

 

中国人を一文字で表すなら、私は「繋」と答えたい。

 

中国人は繋がるのだ。

 

そして私はこれこそが中国人の強さであると考えている。

 

 日本人にとって、友達とはなんなのか。

 

これは非常に大きくて広く深く議論となるだろう。だから少し絞る。

 

日本人にとって友達の友達とはなんだろうか。

 

例えば、いきなりあなたの大学の友達が、

「ねえねえ、今日夜私の高校の友達とご飯食べにいくけど行かない?」

と言われたらあなたはどうする?

 

行かない人がほとんどだろう。

そして、こんな誘いをする人はいないだろう。

 

しかし、驚くなかれ。

 

中国人はこう言うことを平気で言い始める。

 

彼らにとってみれば、友達の友達は友達。

さらに誘う側の発想は、

「私の大好きな友達と大好きな友達が友達になったら超楽しい!」

というものである。

 

歴代の戦隊ヒーロー全部出てくる映画の予告見て、

「合わせたら台無しだよなあ…」

なんていうため息はつかない。

 

「はあ!全部でてくんの!ハリケンジャーカクレンジャータイムレンジャーガオレンジャーも全部?!じゃあ百倍面白くなるな!」

 

というのが中国的な発想である。

 

中国人はLINEは使わない。

代わりにwechatを使う。

 

 

が、ここでも日本人がカルチャーショックになることがある。

 

さあ、また想像してほしい。

日本人が「LINE教えて?」という言葉の重みを想像してほしい。

 

そして、それを一万分の一にしたのが中国人の

微信(wechat)教えて?」

 

である。

 

息を吐くようにwechatを聞いてくる。

 

故にポッと出の私のような外国人でも一年もすれば友達の数が600を超える

 

ちなみに私のLINEの友達は170人である。

 

うち30人が中国人で10人が台湾人なので日本人は130人である。

 

意味がわからない。

 

しかし中国人はここからがすごい。

 

wechatを渡したらガンガンメッセージを送ってくる。

 

「ご飯食べた?」

「食べに行こう」

「日本語を教えて」

「今日はどんな1日だった?」

 

送ることないからー、なんて発想は中国人にはない!

 

内容がなくても送る。

 

その境地の果てに生まれた言葉がこれだ。

 

「在吗?」

 

これは、オンライン上にいますか?、というニュアンス。

 

日本人に置き換えるなら、

 

「暇〜」

 

くらいのテンションだ。

 

ここで、

 

「在」

 

いるよ、とでも返事しようものならば。

 

「なにしてるの?」

「ご飯食べた?」

 

と来る。

 

そして、何回かやりとりしてると、ご飯でも行こう!という話になる。

 

が、その時話してる相手と2人ということはまずあり得ない。

 

必ずゾロゾロと友達を引き連れてくる。

 

そしてそこでもwechatを交換する。

 

そしてまた、最初から始まる。

 

だから、私はなぜか知らないけどボスの部下やボスの友達のwechatを大量に持っている。

 

そして中国人は人のwechatを勝手にばらまく。

(これは、私のいた場所。学生という身分や世代、とかなり局地的な話だから全てには当てはまらないかもしれないが)

 

だから知らない人から、「日本語教えてよ。」

 

というメッセージがひっきりなしに来る。

 

そしてこうして繋がったら中国人は絶対に手放さない。

 

中国人の凄さは繋がることだけじゃない。

 

繋がることを維持することにおいて最大の威力を発揮してくる。

 

毎日wechatを送ってくる。

 

同居人も、私が日本に帰国して同居人が日本に来るまでの1ヶ月半、ただの一日とてメッセージや電話を欠かすことはなかった。

 

張くんや殷くんも同じだ。

 

そしてボスも絶対一週間に一回はwechatか電話が来る。

 

そしてこのつながりがいつでも稼動できるようにしてあるのだ。

 

 だから、アメリカにいる友人に「うちの子が今度留学でアメリカ行くんだけどよろしくねん」なんてwechatを気軽に送りつける。

 

または、「私の息子が今度北京に行くんだけど、少し心配だから新幹線の駅まで迎えないってあげてくれない?」

 

なんて朝飯前だ。

 

つながりがつながりを呼び、今世界を賑わせている、「華僑ネットワーク」やら「中国人社会」が爆誕する。

 

 

こうなったらもう誰も止められない。

中国人が中国人と繋がり、中国人が中国人を呼ぶ。

 

これこそが中国人が強い理由だ。

 

よく、単身外国に行って事業を成功させた、とかいう肩書きの中国人が出てくるけど、絶対にそこにはこの繋がりがある。

 

中国人は外国なら、その地に降り立った時点で、その地にいる中国人と友達なのだ。

 

しかし、これは私たち中国人ではない外国人にとっても得な話なのだ。

 

だって、1人の中国人とつながれば次から次へといろんな人に出会える。

 

留学生とつながれば、日中交流会に呼んでもらえる。

 

そこでまたつながれば?

 

いつのまにか何かのコミュニティに飲み込まれてる。

 

バイト先の中国人にwechatを聞いて繋がったら、福建省まで行ってしまった私。

 

 

ボスも知らない田舎までぶっ飛べた。

 

殷くんや張くんの友達たちとノーヘルで後ろに乗っけられた電動バイクでのドライブは本当に幸せだった。

 

「中国人はすぐ増えるから」

 

なんて動物みたいに言う人がいることを。少し前は悲しいなあと思っていたけど、今は違う。

 

私は日本人に声を大にして言いたい。

 

 

さあ!つながれ!目の前の中国人と!

 

もちろん闇雲に誰でもにとは言わないけれど、留学生や先生とはどんどん繋がろう。

関係を、距離を、詰めていけ!

 

見たことない世界や、異文化が君を待っている。

君の日常を騒がしくも暖かい中国人たちがめちゃくちゃにかき回してくれる。

 

次から次へと中国人が溢れて、貴方は沢山中国人を助け、でも必ず中国人は未来にそれを忘れずに返してくれる。

 

人脈は、汚いズルやコネ、と言う言葉だけで片付けられない。

 

一生懸命互いに努力して関係をキープしてこそ生きるある意味努力の賜物という側面もある。

 

中国は私たち日本人から最も近い異文化の宝箱だ。

いや、もしかしたらパンドラの箱かもしれないけれども。

 

 

中国生活終わり頃、

 

「人脈分かりました。人脈あるから中国人は飛び出していける。挑戦できる。勇気がある。先生?違いますか?」

 

そう言ったら、ボスは

 

「你终于懂了吗?(やっとわかったのかい?)」

 

と微笑んだ。