こんにちは。
お久しぶりです。
親にいい加減更新しろと言われたので書いてます。
そうです、親というものは恐ろしいものでさっさとこのブログを見つけてしまって読者となっています。
ああ、お父さん、お母さんこの場で謝罪します。
あなた達の娘は中国でクレジットカードを二枚も紛失しました。この場で謝罪しておくので許してくれ。
そう、2日前に無くしたことが発覚してそれはもう大騒ぎになった。
私は最初は焦って泣いてたが、泣いてても仕方がないのでさっさとカードを止めてしまってカードを見つけることはサクッとあきらめていたんだけど、周りの中国人のみなさんはそうはいかなかった。
なにしろ、中国のど田舎のこの大学には日本人の若い子は私しかいないため、その日本人がクレジットカードをなくしたとなれば公安まで出動して探す大騒ぎとなった。
というか田舎すぎてなにもないから公安も暇だし、学生も何の事件もないから大騒ぎにしてみたいだけなのでは?と私は思ってる。
そしてこの仮説は多分正しい気がする。
いやー、もういいよ!
もうカード止めたし!問題ないって!
と訴えてる私を完全に無視して、みんなが一生懸命監視カメラを確認したり、張り紙を張ったり私の為にすごく頑張ってくれるみんなの善意がすごく嬉しかったのは内緒。
ああ、ちなみに中国で監視カメラを確認するという日本でもやったことのない激レア体験ができたのも良かったな。
他にもいろんな人が私が寂しがってないか心配してご飯に誘ってくれたり、連れ出してくれたり。
先週は同居人が私を台儿庄というところに連れて行ってくれた。
日中戦争の大きな戦いの場となったここはとにかく反日の人が多いから日本語を話すな、ときつく言い聞かされてビビりまくりながら出かけたんだけど、
行ってみればそのきれいな景色に圧倒された。
こんなに綺麗だから結婚式の写真撮ってるカップルも。
おまけ。
やり当てゲーム。的は旧日本兵。
まあそんなこんなで、苦労しながらも人の優しさに支えられながら幸せに暮らしていたんだけど、このところ私は一つすごく悩んでいることがあったんだ。
それは、
中国語の勉強のこと。
授業の準備と、自分が受ける授業、そして学生からひっきりなしに来る遊びに誘う微信(LINEみたいなの)。
勉強する時間が圧倒的に足りないのである。
会話する機会、話す機会には死ぬほど恵まれてはいるものの、本当に勉強する時間がなくてわからないことを調べたり単語を覚える時間が圧倒的に足りていなくて会話してても、
「この単語またわからんなあ」
「この文法また使えなかったぞ」
「この発音また通じなかったなあ」
と躓くところが固定化し始めた。
こうなって来ると、高校のころやり直しが追いついてないのに模試ばかり受けさせられたあの頃のように全てがうまくいかなくなる。
一回勉強させてくれ。たのむ。
というこっちの意思を全く無視して中国人との怒涛の交流が終わらない。
そんな状況で、珍しく何の約束も入ってなくて
1日をゆっくり過ごしてる時、事件は起きた。
あー、今日はなんかもうだめだ。つかれたよ。宿舎に帰ってアニメでもみてゆったりしようかなあ。
などと幸せホクホクで歩いてたらいきなりメッセージがきた。
今暇か?という旨のメッセージに、暇じゃねーと答えたかったけど生憎なんの用事もなかったから暇だぞ、と返信すると今すぐ食堂に来いという。
なんだろー。なんだろー。
と思いながらのろのろと食堂に向かうと7人の学生が私を待っていた。
「こんにちは、私たちは映像学部の学生です。」
「こんにちは、土山です。」
「突然ですが、あなたの映画を撮りたいんですけどいいですか?」
ううん?
中国語まだ慣れてないし聞き間違いかもしれない。
「えっと、聞き取れなかったんだけどもう一回いいかなあ?」
というと、今度は日本語で映画撮りたい!と携帯の画面を見せてきた。
だから、
なんだそれは!!!!
なんでも、彼女たちは課題でドキュメンタリーを撮らないといけないらしく、
題材を探してたところにこの大学に初めてきた日本人留学生が目に入ったということらしい。
いや、ワタシ留学生じゃねーし、インターンだし!
というツッコミはこの場を混乱させるだけだからぐっと飲み込んで。
話を聞いてるとどうやらプロフェッショナルみたいな映画を撮りたいらしい。
なんだそのこっぱずかしい話は!
そういうわけで(どういうわけだ?)なし崩し的にオッケーしてしまった私はまんまと中国で映画化されることになった。
ああ、中華料理とストレスでぶくぶくと太った私史上最大に醜い姿が中国で映像として残るのか…と思うとこみ上げてくるものがあるけど、なんにせよ映画化である。
中国でも日本と変わらぬ自堕落な生活をおくる私のなにを映画にするというのか。
彼女たちの編集技術とシナリオ力が大いに試されると思うからしっかり頑張ってほしい。
そういうわけでゆっくりアニメ見ようとしてたその日は映画の打ち合わせでさっさと消え去った。
そのほかにも同居人が彼氏を連れ込んだのにブチ切れて叩きのめしたり、
トイレがぶっ壊れて泣きながら自力で修理したり、
70の爺さんに子宝の湯に誘われたり、
楽しいことがたくさんあったけど、
こんだけのトラブルやエキセントリックなことが起こってるのに、私の保護者兼雇用主のボスはどうなったのか。
このボスのせいでまた一悶着あったこともかいとかなければならない。
ボスのことを知らない人はこれ読めばいいよ。
ある日、宿舎に帰ってきたら同居人が泣いていた。
「どうしたの?」
「ボスがくるって。来週。だから私彼氏に会えないー!!!」
そう。
その週の次の週は清明节という中国のお盆で、長い祝日。
彼女はその休暇を使って隣町に住んでる彼氏のところに遊びにいこうとしてたんだよね。
それが、私のボスが来てしまったら彼女の両親の友達でもあるボスと彼女の家族で食事をしなければならないらしく、そうなると彼女は隣町に行けなくなってしまう、ということらしい。
なんだそれは!来週ボスくるの!聞いてないんだけど!
同居人はいい子だけど、異国人だし私は少し疲れていたので同居人が彼氏の所に遊びにいってる間一人で羽を伸ばすのを楽しみにしてたのになんということだ!!!
ないてる同居人をなだめすかして、
「それはもう決まったことなのか?」
と聞いてみると、
「わかんない、いんくん(私の生徒の一人)がそういってた。多分くるって。」
急いでいんくんにきいてみると、まだはっきりわからないと言う。
冗談じゃねえよ!
ボスが来たら私のお休みは水泡に等しく消え去る。
そんなこと許さんぞ!
ないてる同居人をよそにボスに電話をかける。
すると出ないではないか!
実にその五時間後
ボスは私に電話をくれた。
「先生、次はいつ来られるんですか?」
「あー、ツチヤマさん。私は明後日からポーランド行きますね。10日ほど。それが終わったらあなたに会いに行きますよ。お土産を持ってね。」
ポーランド🇵🇱
同居人にそれを伝えると涙はスルスル引っ込んで喜んでたけど私は少しがっかりだった。
だって。
宿舎に冷蔵庫なくて冷たい物食べれないし料理もできないし、電気が壊れて夜は暗いしトイレは水漏れしてるし、ボスが来たら全部改善してもらおうと思ってたのに、
彼は遠いポーランドの空の下。
うー、さっきまでくるなとかいってごめんなさい!
早く来てくだしゃい!
たしゅけて!!!
ボス、土産はいらないから早く来て。
早く来て私を救ってくれ。
でも来たら来たでまた無茶振りしそうだから、うーん。
面倒臭い男である。
まあそんなわけで毎日が無茶振りだけどまだ生きてる。
まだ戦える。
そんなわけでこれからはもう少し頑張って更新するからこれからもよろしくね。