紋浪ちゃんの覚え書き

気になることとか拙い和訳とか

嵐の前のHSK

 

にーはおにーはお。

私です。紋浪です。

みなさんいかがお過ごしでしょうか。

 

先週1週間はとにかく波乱だった。

はじめに断っておくが、 HSKは先週の日曜日だった!

月曜日に同居人が彼氏と別れる騒動を巻き起こし、

火曜日には未だ気まずい韓国人との授業に耐えて、

水曜日にはボスから電話が来て、

木曜にはボスがやってきた。

そして金曜日は同居人の誕生日だった。

 

ボスは3ヶ月ぶりにあったけど、

別に何も変わってなくて、変わったことといえば日本語をすっかり忘れてたから会話が全部中国語になった。

 ボスはとにかく褒めてくれたからいい気分になった。

 でも、ここにきたばかりの頃の私は

你好と谢谢しかいえなかったからその時と比べたら私は確かに進歩しただろう。

ボスは3ヶ月間私を放置してたし、ボスが私を放置してる間の3ヶ月間、

最初こそ日本人の倫子さんと佐藤さんに頼りっぱなしだったものの、

困ったことがあれば中国人に頼むなり交渉しなければならなかったわけだからボスが面倒見すぎないことも私の中国語が伸びた一因かもしれない。(いや、もっと面倒見てくれ。)

 

「この3ヶ月困ったことなかった?」

「いえいえ、たくさんありましたけど、先生がいらっしゃらないから他の人に頼んでなんとかしましたわ。(なんでこなかったんだ馬鹿野郎)」

「どうして、私に頼まない?あなたは困ったことがあれば私にいえばどうにでもしてあげるのに。」

「あらやだ。私が困った時はいつもポーランドとかアメリカとか。お忙しいのに重荷になりたくなかったんですの。(てめーに何ができるんだよこんちきしょう!勝手にどこそこ行きやがって)」

 

とまあ、私のオブラートに包みまくった結果中身が消失したような皮肉はボスに届くこともなく虚しく水泡に消えた。

 

ボスは褒めてもくれたけど、まだまだ文法も発音も滅茶苦茶だからもっと丁寧に勉強しろと言った。

 

ぐうの音も出なかった。

私は目の前のおっさん(ボス)をひっぱたきたい衝動を必死にこらえて、

 

「ええ、先生みたいに綺麗な外国語が話せるように頑張りますわ」

 

と、また一つ届かない皮肉を投げつけた。

 

ちなみにボスは自分を中心に世界が回ってる人だから面白エピソードがたくさん。

今回一番面白かったのは、私が日本語で話すと、

「あなたの日本語下手になりましたねー。聞き取れませんよー」

と言い放ったことですかね。

 

えー、下手になったの私の日本語かーい!

と、頭の中で漫画みたいにひっくり返ったぞ。

 

ま、そんなわけで土曜日には朝っぱらから同居人に叩き起こされて試験会場の济南に向かった。

 なんか習近平さんが青島にくる、とかなんとかで中国の新幹線、高铁の駅は大変な厳戒態勢。

 

なにも、青島にくるからって枣庄までここまで厳戒態勢にする必要あるか?

 

って思うほどたくさん警察がいた。

そして、飛行機に乗る時並みの厳重な身体検査と荷物チェックを受けなければならなかった。

 

私はハサミとカッターと中国で買った安い香水を取り上げられた。

 公安の人は私の荷物を検査しながらも私のパスポートに興味津々で、色々話しかけてきたから、

「今没収されたハサミは日本で千円で買った高くて切りやすいやつだから、捨てないでちゃんと使ってくれよな!」

 

と伝えておいた。

公安の人は笑顔でオッケーと答えてくれた。

 

私のはさみはこれから先末永く中国の治安維持のために働くことだろう。

がんばれ、私のハサミ!

 

 そんなわけで、同居人に連れられてついた济南はあいにくの大雨。

 

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駅から大都会で喜びまくって写真を撮りまくる私を同居人はかわいそうな生き物を見る目で見ていた。

 

 そのあとホテルに行ったんだけど、

同居人が予約していたホテルは外国人お断りのホテルだったからさあ大変!

 

中国は外国人お断りのホテルが多いんだけど、同居人は中国人だから当たり前ながらリサーチしたことはなかったらしい。

 

 ただよくよく話を聞いて見ると、例のおっさんが青島にきてるから警戒態勢で外国人を泊めないようにしてる、という。

 

おのれ、ぺんぺん!(習近平)

 

このあと同居人とフロントのおばさんとの激烈な交渉(怒鳴り合い)の末に私たちはようやくホテルに入りびしょびしょに濡れた服を着替えシャワーを浴びることが許された。

 

そのあとは、同居人と二人で出前を取ってホテルでご飯を食べた。

 

私は同じく济南にきている殷くんと張くんと一緒に食べないのか?

 

と聞いたけど、

彼らは私と食べたくない、と言っている。

 

とさらりと言われて軽くショックを受けた。

まあ、外国人で楽に中国語も通じないんだし、そりゃ邪魔だし気も使うよなあ。

 

などと思い直し、出前で届いた麻辣烫をずぞすぞと啜った。

 

 外の雨はひどくなるばかりで外に出るのは叶わなそうなのでぼんやりと参考書など開くも全く集中できず、時間ばかりたっていった。

 

私がそんなままならない時間を過ごしてる間倫子さんのお家では楽しい飲み会か食事会かよくわからんものが催されたらしく楽しそうな動画がたくさん送られてきた。(本当にありがとうございます。大事にします)

嫉妬に狂って泡を吹きながら悶絶してる横で、同居人は幸せそうに彼氏(仲直りした)に電話していた。

なんだこの格差社会は!

 

中国は社会主義だろ!なんとかしろ格差是正しろ!資本家並びに持つものを許すな!再分配だ!

 

などとわけのわからんことを脳内で撒き散らしてるうちに夜が明けて、

朝っぱらから山東大学へ。

 

山東大学の綺麗さと洗練された感じを一目見て脳内から枣庄学院をかっ飛ばした。

 

比べるな比べるな、悲しいだけだ。

 

てなわけで、綺麗な山東大学で綺麗に道に迷った私は通りかかった綺麗なお兄さんに試験会場まで連れていってもらった。

お兄さんの学部は理工学部らしい。

そのままお兄さんを带走(持ち帰り)できないだろうか?などと真剣に考えた。

 

「どこからきたの?」

「枣庄です」

「どうしてそんなところに留学してるの?こっちにきてしまいなよ。」

「あ、あはは。また冗談を」

「冗談じゃない、真剣」

 

などと、試験開始前にして半殺しにされて試験会場に着いた。

 

 

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こんなふうに横断幕が出てるからすぐにわかった。

お兄さんは嬉しそうな顔してたけど私はお兄さんとなら千里の道を歩くことも辞さないほどの心持ちだったので不服だった。

 

さようならお兄さん。サンキューお兄さん。ビバお兄さん。

 

と、いうわけでお兄さんと別れて試験会場に入ると、

 

おや、おや。

 

机が1つしかないではないか!

 

試験監督の怖そうなおばさんにおそるおそる、

 

「今日って一人なんでしょうか…」

 

と聞いて見ると、

 

「そうだよー。今回ここの会場は受験生あなただけー。」

 

じゃあ、さっきの横断幕って私のためか!

この人たちは私のためだけに会場準備してくれたのか。

 

それなのに私はろくに勉強もしないでこの人たちに申し訳のない…

 

となんだかわけのわからない罪悪感に襲われて受けた試験の結果はお察し。

 

到底理想とは遠い。

 

ちなみに試験監督は2人いた。

私は1人しかいないのに。

 

 

怖かった…………

 

そんなわけでなんとか1回目のHSKの受験はなんとか終了。

 

これが留学3ヶ月目の成果かー、と思うとなんだか物足りない気もするけど、あと半年。

先は長い。

 

前向きに行こう。(どこが前かよくわからないんだけど)

 

さて、試験も終わって晴れやかな心を抱えて、門まで歩いて行くと、

殷くんと張くんが迎えにきてくれていた。

 

「試験は?」

 

ときこうとしたら、

 

「試験は?」

 

と同時にいってたから3人で豪快に笑った。

 

そんな平和な瞬間が嵐の前の静けさだなんて、

この時のわたしには知る由も無いのであった。

 

 

そんなわけで次回に続くぞ!

 

また見てくれよな!