にーはおにーはお。
私です。
突然だが私は日本にいる。
逃げ帰ったのではない、あくまで一時退却である。
棗庄から日本に帰るには壮大な旅をしなければならない。
まず、私のいる大学から駅までバスで2時間。
さらに、駅から新幹線にのって3時間半。
そこから地下鉄に揺られること1時間。
バスに揺られること1時間。
ようやく空港に着く。
で、私は空港の近くにホテルをとってあったから前日はそこに一泊して空港にいくわけだけどまあここまで行くのが大変だったわよ!
まず、チケット取れない問題。
上海に行く3日前に高鉄っていう中国の新幹線のチケット取ろうと思ったら、夜の10時に上海に着く便以外は全部売り切れていた。
流石に夜10時に上海にほっぽり出されてサバイバルする気にはならなかったし、
同居人にも反対されたからこれはなしということになった。
じゃあどうするか。
キャンセル待ちである。
「前日までに乗れるか乗れないかの通知が届くからー」
とのこと。
おいおい、もし前日にダメだってきたらどうなるんだよ。
とかいろいろ思うことはあったけど、まあなんとかなるだろー、って事で。
待ってたら前日にこんなのがきたから、
これは席が確保できましたよーっていうSMS。
ガッツポーズ。
さて、次に問題に上がって来るのがホテル。
中国を旅行するときに気をつけないといけないのがこのホテル。
中国では外国人が泊まれるホテルと外国人が泊まれないホテルがある。
前回、同居人と濟南に行った時この罠にはまった。
同居人がホテルを予約してたんだけどそのホテルがたまたま外国人お断りだったのである。
中国では在留届の関係で外国人を宿泊させる手続きが面倒らしくそのせいでこの辺の区別があるらしい。
まあそんなこと置いといて。とにかく前回は同居人が一緒にいたからそんなことになったとしてもあんまり怖くないけど今回はそうはいかない。
1人で上海の夜巨大なバックパックと23キロのスーツケースと一緒にお外に放りだされるなんて勘弁願いたいところ。
確実に外国人を泊めてくれる宿を探さなければならない。
ただ、これが本当に私が一番困ったことなんだけど、どの予約サイトつかっても外国人が泊まれるか泊まらせないかをきちんと書いてないんだよね。
あとで同居人に電話をかけて貰えばいいやー、と泊まりたいホテルをリストアップしてたんだけど、同居人がその日不在だったからさあ大変。
自分でなんとかするしかなくなってしまった。
と。いうわけで。
電話をかけなければなりません。
と言うわけでビビリバビリで電話をかけた、なんだかしらないけどすんなり通じて、泊まれると言うことなんでホテルを予約。
ちなみに泊まったのはここね!
一泊250元から300元で結構よかった。
空港までの無料送迎もついててありがたかった。
と言うわけで最低限の手はずが整ったところで、トリップ開始。
まず、大学から高鉄の駅まで。
これには二つ方法があって、タクシー飛ばすかバスに乗り継いで行くかのどちらかである。
私は当初バスで行こうと考えていたんだけど、私の荷物の量を見て同居人が、
「そんな装備でバスはむりだ」
と言ってきて知り合いのおっさんを呼んでくれたからおっさんの車に乗って行くことになった。
駅までの1時間弱、おっさんのマシンガントークを私は泣きそうになりながら迎え撃った。
前日ほとんど寝てないから眠いし頭痛いが、親切で気のいいおっさんが外国人の私にもわかるように話題を選んで話してくれてるのがわかったから必死に聞き取るためにがんばる。
タクシーを降りる頃には、ほとほと疲れはてて消耗しきっていた。
しかし、大変なのは高鉄にのってからだった。
疲れ果てて早々眠りにつこうとしたら、グビッと髪の毛を引っ張られた。
嫌々ながら目を開けると天真爛漫でキュートな笑顔を浮かべた赤ちゃんが私の髪の毛を支えに隣の座席の上に立っていた。
てなわけで、私の上海までの残り3時間半は隣の席の赤ちゃんの相手に費やされる羽目になった。
退屈になると私の髪の毛やらイヤホンを引っ張り、よだれをダラッダラ垂れ流す赤ちゃんにイラっとする…わけもなく、その破天荒赤ちゃんは己の気ままな言動をそのキュートかつあざとさのない素敵な笑顔で帳消しにした。
おのれ赤ちゃん!かわいい!
結果上海までねれずに赤ちゃんとともに旅する。
その間も隣のおばさんにスマホの蓄電器を貸すように求められたり、色々あったけどこの辺はかかとキリないから割愛。
とにかく疲労困憊で上海虹橋駅に着いたけど大変なのはここから。
地下鉄にのらなければならないんだけど、とにかく上海の人の多いことうるさいこと。
棗庄のど田舎から出て来ていきなりのカルチャーショックに面食らいながらなんとか切符を買って、地下鉄を乗り継いでホテルの最寄の駅まで。
ここでバスに乗れば完璧だったのに、まさかの逆回りのバスに乗ったことに気がついて、降りて泣きながらバス停を探して20分くらいさまよい歩いた。
最終的に道で将棋打ってるおっさん達に聞いた。
優しかった。
ありがとうおっさん。
で、バス停に着いたけど待てど暮らせどバスが来ないから、諦めてさっさとタクシーに乗り込んだ。
で、やっとホテルに着いた時にはある種の感動を覚えた。
やればできるじゃん…私!
そんな感じ。
で、ここでホテルでおとなしくしとけばいいものを、調子に乗った私はさっさと汗まみれの服を脱いで着替えて出かける準備。
せっかく上海に来たんだ。
同じく中国に留学してる大学の同期、澤出氏に会わなければ!
彼との出会いは大学2年の夏休みに参加した天津の南開大学での短期プログラム。
お互い友達いない状態で参加してなんとなく仲良くなって3週間本当にいろんなところに一緒に行った。
懐かしいね。
で、そこから2人ともなんとなく中国語続けてて、お互い色々考えて4回生休学して中国に今いる。
で、今回上海に行くー、と言ったら「会おう!」ってことになったから夕飯を一緒に食べることにした。
と、その前に飛行機のeチケットの印刷を棗庄に忘れて来てしまった私は再開するなら澤出くんに泣きついたけど、
澤出くんは嫌な顔一つせずに一緒に印刷屋さんを探してくれた。
本当にありがとう。
印刷はなんと一枚一元。
うそだろ!棗庄は一枚0.01元だぞ!オカモト並みなんだぞ!
フザケンナ!
と怒鳴りたいのを我慢してお金を払った。
そんなわけでようやく夕飯。
なんかおしゃれな店。
味も棗庄の料理と違ってあっさりしてて辛くなくて美味しかった。
日頃中国人に苦しめられてるエピソードとか、留学のこととか就活のこととか、久しぶりに同じ年齢の大学生とたくさん話せてものすごく幸せだったし楽しかった。
で、食べ終わって澤出くんに着いて行くと、
いと美しきかな。
これぞ、魔都上海!って感じのギラギラした夜景。
雲に刺さるタワーはまさに近未来!って感じでテンションが上がる。
嬉しすぎて写真も撮った。
「いやーー、マジで久しぶり来たわ。でもボク、この夜景見て上海くるって決めてここまで来たんだよなあ…」
と感極まる澤出くん。
私は今回が初めての上海だったけど。
わかる。
これは夢中になっちゃうわ。魅力的だ。
終電の時間もあるから、澤出くんとはここで別れて私は元来た地下鉄に乗ってホテルを目指す。
またもや最寄の地下鉄の駅からのバスを逃した私は疲れすぎてもはや判断能力さえ失った私は声をかけて来た白タクの気のいいおっさんについていった。
白タクのおっさんはおしゃべりが大好きでホテルまでの20分をひたすら喋り倒した。
この頃すでに時刻は11時。
疲れ果ててテンションが崩壊した私も普段ならあり得ない陽気さとコミュ力を発揮。
なぜかおっさんと電話番号を交換した。
本当に意味がわからない。
おっさんは別にお金をぼったくることもなく、安全にホテルに送り届けてくれた。
本当に感謝している。
今回は三回タクシーに乗ったけど、運転手が揃いも揃ってみんなおしゃべりだった。
いつもは同居人とか別の中国人の友達と乗るから運転手さんもそっちと話してるけど今回は1人だったから、私に話しかけてくれたのだろう。
なんにせよ、いろんな中国人と話が出来て私はとても楽しかった。
それでその夜は渾々と眠り、朝から空港へ。
送迎バスが乗客私1人なのに対し50人は乗れそうな大きなバスだったのにびっくりした。
がらーん。
そこからは自分でも驚くほどにスムーズにことはすすんだ。
唯一のトラブルは、トランジットの韓国の仁川空港でウォンはないわクレジットカードは使えないわで、喉がカラカラなのに飲み物一つ買えなかったことである。
あとは完璧。
福岡について迎えに来てくれていた父親と母親とご飯を食べておうちに帰った。
で、もう明後日中国に帰るのだ。
あー、もうすこし日本にいてもいたかったなあ。
でも、上海に戻ったらまた澤出くんと遊ぶ約束してるし、球ちゃんと厦門にも福建の球ちゃんの家にも行けるし、楽しいこともたくさんあるな!
そして8月15日にはとうとうおばあちゃんとおばさんとお母さんとゆなちゃん(いとこ)が北京にやってくるぞ!
中国語が伸びてないのがバレるぞ!大変だ!
ってなわけで中国に帰りたいのか帰りたくないのかよくわからなくなって呆然としている今日この頃。
夏休みもイベント盛りだくさんだから気合い入れて行きますよ。
そんなわけで今日はこの辺でおやすみなさい。