紋浪ちゃんの覚え書き

気になることとか拙い和訳とか

ボスと私の追いかけっこ ②

 

にーはおにーはお。

私です。

昨日から始まった世界一不毛な鬼ごっこを強制的にプレイさせられてる紋浪です。

 

いやー、もう死にたい!(イッてる目)

 

さてさて、昨日はボスは来たもののなんの連絡もなかった。

 

ゆえに診断書は役には立たなかった。

 

で、今日4時ごろ劉くんたちの授業が終わった後、のんびり休憩してたら5時にボスから電話。

 

 

げええええ。

 

私は思わず飲んでいたお茶を吐き出して盛大にむせた。

 

その場にいた劉ちゃんと王ちゃんには、

 

「でんな!」

 

と言われたので従う事にした。

 

さて、ここでなぜ劉ちゃんが出ないように命じたかというと、ボスが今日の夜全ての予定をキャンセルした、という知らせが入ったからである。

無論情報の出所は劉パパである。

 

そして、鳴り響く私のスマホの着信音。

 

こえええよ。

 

 

が、もう鬼電が止まらない。

で、マスクつけて携帯の電源切って、また病人になりすましてベッドに横になって電話を無視し続けていた。

 

7時くらいになったら、

 

「先生ごめんなさい。私ひどい熱で寝込んでて、先生の電話にも気がつかずに…」

 

などと片付けようと考えていた。

 

 

が、5時半ごろいきなりドアをノックされて劉ちゃんが出たら、そこには

 

龍さんと趙さんが立っていた。

 

初登場の龍さんはボスの部下で、私が北京に行った時大概お世話になっていた人。

物腰柔らかな山東人で優しくて私が物凄く懐いていたおじさんである。

 

げええ、なんで龍さんがこんなところに…。

 

同居人に言われてドアを開けてすっかり病人の格好をした私をみて、心底心配そうにしてる龍さん。

 

本当にいい人。

そんないい人を騙して、それもこれも全部ボスのせいだ。爆破してやる!

 

と、ボスに対するうらみつらみを募らせる私。

 

そんな私をよそに、

「ボスが待ってる。お湯のんで元気になってさっさと準備しておりてきなさい」

 

という趙さん。

お前は鬼か!

 

「私たち準備に時間がかかります。ちょっと待ってもらえますか?」

 

と割って入る劉ちゃん。

え?劉ちゃんも行くの?来てくれるの?

 

話が見えない。

 

2人が私たちの家から出て行った後で、

「え?どゆこと?」

と聞く私に得意げな顔の劉ちゃん。

「私のパパ、あいつと商談したいのに捕まらないの。でね、今夜うちのパパとの食事断ったのも絶対先生に会うためだろうなあってなったの。だから、うちのパパはボスに向かって、なんも知らないふりして。

いつもうちの娘がお世話になってるから今夜土山先生を食事に招待しますけど是非来ませんか?って言ったのよ。」

 

つまり。ボスが私の予定をつかむ前に同居人パパが私を取ってしまう事で私はボスと2人で会わずに済むし、同居人パパはボスを呼び出して商談ができるというわけだ。

 

ゆえに、同居人パパが手配をし終わるまで同居人パパが私に電話にとらせなかったのである。

 

「だったら早く言ってよー。私ただ電話無視し続けるのかとおもったよー。」

 

と、私が言ったところで準備開始。

 

私は頭に霧吹きをかけられ、ゾンビのような顔色に化粧をされた。

そしておでこにも霧吹きをして汗をかいていらように装う。

 

同居人の化粧は完璧で私はどこからどうみても病人だった。

 

そして服を着替えて階下に降りて車に乗って同居人のパパのホテルに行くと、ボスが待っていた。

 

全身白いスーツを着ていたので、ここ最近吉本新喜劇しか見てない私は同居人に、

「今日のあいつの服、新幹線みてーだな!」

とこっそり言ったら存外これがツボにはまったようで頭おかしいくらい笑っていた。

 

久しぶりにボスに対面して全身硬直する私。

 

やはり怖いものは怖いのである。

 

「お久しぶりです先生」

 

とお辞儀をしようとすると、

 

「そんなの必要ないですよ。」

 

と頭を撫でられた。

 

昔の私ならこの意味を知らんが、今は知っとる。

 

私が呆然としていると、

「私が来て嬉しいでしょう?」

と手を取られた。

 

げえええ。

 

と、早くもげんなりする私。

 

一刻も早く北京に帰ってくれ!じゃなきゃ私が北京に行くからよ!

 

てなわけで始まった波乱の食事会。

 

私は優しいおじさん、龍さんと話すのだけがたのしかった。

あと忘れた頃に「新幹線…」と同居人に囁くのも楽しかった。

 

さて。この波乱の食事会。

劉パパはボスをとっ捕まえたのが嬉しいらしく喋りまくる。

 

 ぽけーっときいてたんだけど。

 

この食事会で私は一つのミッションを課せられていた。

 

 同居人が9月に日本にいけないことが決まってから、同居人はまた書類作りを最初っからやり直しになってしまっていた。

これがとにかくめんどくさいらしくて同居人はよく発狂していたんだけど、彼女の書類をチェックして「これでオッケー!」と言って役所に提出する係の人の仕事がとにかく酷かった。

 同居人はいちいち書いたものを写真を撮ってwechatに送ってて「これでいいですか?」と聞いてるのに、

「大丈夫ー」だけ返して、そのまま出したらミスがたくさんみつかったから、

「どういうことか?」と聞いたところ

「おめーがちゃんとしてなかっただろ!」

と同居人に対して逆ギレ。

毎回申請に2000円くらいかかるんだけど、それを4回もさせられている。

全てその人のミスである。

この書類をチェックしてる人はボスの部下らしくて、結構前からボスの愛人という説があるんだとかないんだとか。

 

で。同居人ははらわたを煮えくり返らせて

「復讐してやる!!!」

と息巻いていた。

 

てか、ボスもボスで、

済南に愛人いんなら棗庄にくんなよ!一駅だろーが!そこで一発(自主規制)してからスッキリしてからこいや!ぶん殴りたいなあ!

 

と私は私でお腹の中グーツグーツ。

 

さてこの話がなんで今回関係あるのかというと、同居人はボスは父親の商売相手ということであまり主体的に動きたくないらしい。

 

まあ父親を動かせば一発らしいが、そこはいつもお父さんに頼りたくないというお嬢様のプライド。

 

てなわけで、私が

 

毎日書類申請がうまくいかず冷たく当たられて辛そうにしてる同居人をみて耐えられなくなって同居人がボスに言わなくていいと言ってるのを振り切って告発する…

 

というストーリーにのっとり、ボスに詰め寄ることになっていたのである。

 

同居人の合図とともに作戦スタート。

 

「先生、私先生に一つ起こってることがあるの。ねえ先生、済南の女の人って誰?劉ちゃんの留学資料の書類作ってる人ってだれ?」

 

「ええ?なんのことですか?」

とすっとぼけるボス。

 

すかさず、

 

「先生、私はいいの!言わなくていいから」

 

と止めに入る同居人。

 

私はそれを振り切って告発開始。

このとき私は日本語を使ったからその場にいた劉パパは、私がいきなり怒るは自分の娘を乱暴に振り払うわでわけがわからない様子で、同居人にむかって

 

「先生は何を言ってるんだ?」

 

と聞いた。

 

これ幸いとばかりに私の言ってることを訳すふりをして、ボスの部下の女のずさんな仕事ぶりを話し始める同居人をボスが必死に止める。

 

テーブルはカオスと化した。

 

なんか大きな声出せてスッキリした私は龍さんがくれたスイカをニコニコとかじった。

 

私と同居人は机の下でこっそりハイタッチした。

 

同居人を邪険に扱った済南のおばはんはあしたボスに怒られることになり、これから先は同居人はストレスフリーに手続きができるだろうと喜んでいた。

 

で、食事会も終わって迎えの車を待っているとボスがいきなり近くにやってきた。

 

「今夜帰りますか?」

「ええ、帰りますよ。」

「誰と?」

 

あー。

そういうことか。

 

劉ちゃんと答えたら何もなし。

ボスと答えれば私は…………。

 

「家の鍵は一つしかないから(だから劉ちゃんと一緒に帰るのよ。)」

「鍵は渡してしまえば?(そうすれば帰らなくていい)」

「渡して私はどうするの?」

「わかりますね?」

「ごめんなさい、私の頭は悪いんです。わかりませんねー。」

 

なんだこのライアーゲームは!

 

 

ごたごたしてたら、劉パパが

「娘たちよ、帰るよ」

と、強制的に私を持ち去った。

 

勝ち誇った笑顔で振り向いたら、ボスは余裕の笑顔で。

「また明日」

と微笑んで、運転手の車に乗って颯爽と去った。

 

劉パパは私たち2人の打ち合わせを知らないので、私が自分の娘のためにボスに怒ったとおもっていて、いたく感動していた。

 

まあ怒ってたのは本当だけどね。

 

とにかく今日は、

同居人のパパは商談できてハッピー

同居人は復讐できてハッピー

私はボスとまくらを交わさず済んでハッピー

 

それにしても同居人が一緒に来てくれてよかった。

もしも同居人がいなかったらボスは「私が彼女を送っていきます」などと言って私を自分の車に乗せて自分の泊まってる場所に連れて行って、そこで私は終点である。

 

でも、「また明日」

 

そう。これでは終わらない。なんだか楽しそうなボスの顔が怖くてなんだか気分が悪いからきゃあはもう寝ます。

 

おやすみなさい。