紋浪ちゃんの覚え書き

気になることとか拙い和訳とか

ボスに翻弄されっぱなし。

 

大家好。

私です。

唐突だけど、ここ山東省棗庄市での生活は一言で言ったらクソつまらんかった。

 

なんでこんな汚い言葉で言ってるかというと私が本当にイライラしていたからである。

なんでイライラしていたかというと、ここ1週間と少し与えられた部屋に閉じ込められてほっとかれて上司からかかってくる一日一回の電話を待ち続けるというまるで昼ドラの愛人みたいな生活を強いられていた。

 

で、とうとう今日私の堪忍袋の尾が切れて、これ以上ここにいても時間の無駄だ。

「日本に帰ろう!」

と思い立ち、スーツケースに荷物を詰め込み荷造りを始めていたら、それまでは音沙汰もなかったボスが息を切らしてやって来た。

 

 

いや、この部屋カメラでも付いてんのー!?

 

と驚きまくる私をよそにボスはこれからの私の予定を立て始めて同時に説明も始めた。

これがさらに驚きだったから今日はそれについて書きたい。

 

さて、以前の記事にもチラチラ登場していたボスについて簡単にここらでかいた方がいいと思うから簡単にかいてみようと思う。

 

ボスが出て来た最近の記事はこちら。よかったら読んでね。

 

 

ボスというのはこの大学の学生が彼につけたあだ名である。

彼は北京、大阪にいくつかの会社を持っていて主に観光やホテルなどの畑を歩いて来た実業家で歳は57歳。

 語学に堪能で英語、日本語、からスペイン語エスペラント語という不思議な言語まで操る。

 

さて、なぜそんな人が私の上司になったのかというと、彼がこの大学の観光学科と提携して自分の会社で働ける人材を育てるためにクラスを受け持ち教育しているんだけど、彼の会社に日本語で日本人とやりとりできる人材が欲しい、ということで日本語教育が始まり、その手伝いを募集していたという事情があった。

 そこで彼の大学時代の友達の私の中国語教室の先生が中国でインターンをしたがっていた私を推薦した、という経緯で彼と私は出会ったというわけである。

 

 

さて、そんなボスがたてた私の予定がこちら。

 

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お分りいただけるだろうか?

午前は3時間、夜から90分の授業を毎日やらないといけない。

 

少なくとも一日4時間半教壇に立つことになる。

金曜に至っては6時間やらないといけない。

 

それも学生はあいうえおすら知らない。

 

そんな学生100人相手に私は授業をしないといけない。

 

どうするんだ…。

 

無理だ、出来ない、というがボスは出来るはずだ問題ない、しか言わない。

 

他の日本語教師の二倍以上あるコマ数に日本語教師の人たちは驚いたけど、

覚悟を決めるしかない。

やるしかない。

 

そう覚悟を決めて大きく息を吸い込んだ。

 

ボスの目を見た。

 

「やります」

 

とかっこよく言おうとした、のにボスはさらなる爆弾をぶっ放してきた。

 

「明日からこの家に中国人が引っ越してきます」

 

思考停止。

なんだそれは!

 

ボスの考えでは、私に早く中国語を覚えさせて自分が新しく作った日本向けの観光会社の手伝いを私にさせたいらしい。

その会社が2ヶ月後にオープンするから、そこまでに私の中国語をなんとかして戦力にしたいらしい。

 

みんなわかると思うけど、無茶苦茶である。

 

そんなの無理だ。

ボスは涼しい顔をしてぎちぎちに詰まった日本語の授業の合間に週に3回120分以上ある中国語の授業を受けるように手配していた。

 

さらに中国人と住むことで会話力の向上をさせることで私の中国語を速成させる計画らしい。

 

 

澄ました顔で、

「いっぱい勉強できていいですねー」

という目の前のボスをひっぱたくのは後だ、

どうすんだ!どうしよう!

 

私は6月のHSKの6級に受からなければならなくなってしまった。

 

いや、なんだそれは!

無理に決まっとるだろ。

 

しかし受かろうが受からなくても後2ヶ月でオープンするボスの会社で働かなければならない事実は変わらない。

 

なんということだ。

 

しかし呆然とする私にボスは新たなる爆弾をぶっ放してくる。

 

夏休みこの大学は学生を集めるために中国のあちこちで宣伝のために説明会を開くんだけどそのたびに同行するハメになるかもしれない、というお話。

 

だからなんだそれはーー!!!!

 

私は展開の速さと誰に突っ込めばいいのか、何が無理なのか何がびっくりなのか訳が分からなくなって呆然。

 

ボスは何を勘違いしたのかとてもご機嫌。

 

しかし短い間でも付き合って来てわかる。

このボスは冗談は言わないし、出来なければ私に未来はない。

 

就活もしてないし卒論の準備も休学ありきで進めていた私には大学に戻るという選択肢はあり得ない。

故に後ろに下がらない背水の陣。

 

ここで生き残るには中国語をマスターし学生に日本語を教え、ボスの有能な参謀になるしかない。

 

 とにかく、この目の前のボスに、

「無茶ばっかり言うな!ひと遣いあらい!休ませろ!」

と中国語で抗議するまでは倒れられん。

 

 

でも、そんな私にもひとつだけ癒しがあって、

ネットで出会った中国人の男の子とwechatでやり取りをするのが一日の密かな楽しみとなっている。

 彼は中国の有名な大学の院を出ていていまは仕事をしていて全国を出張して回っていて出張先の珍しい風景の写真を送ってくれるのだ。

 中国で困ったことや、わからないことを聞くと丁寧に教えてくれる。

 

彼の助けなしでは中国に来てからここまでうまいことやってこれなかったと思うから彼には本当に感謝している。

 

そんな彼と今日もいつものようにやり取りをしていたら、

 

夏休みには君のいるところへ行くよ。

 

 

 いまの私は中国語は書けるし読めるけど話すこと聞くことはてんでダメなのだ。

 

それが、なんということだ。

 

唯一の癒しまでもがボスと一緒になって首を絞めるを通り越して首狩りにきたではないか。

一日の終わりの癒しが地獄の焦土と化した私は携帯を投げ捨ててやさぐれた。

 

 

 でも、ボスは無茶なスケジュールとはいえ中国語の授業を受けれるようにしてくれたし、中国人のルームメイトも用意してくれて乱暴ながらも無茶苦茶な難題に答えるレールは敷いてくれた。

 

ただ綺麗なレールではないから乗る方にも根性がいる。

 

ならば乗ってやろう。

 

いまはそのレールの上を死に物狂いです駆け抜けることだけを考えよう。

 

 もともとこういう自分を容赦なく追い込みたくてこんなど田舎でインターンを選んだんだ。

 でもいざそんな状況に対峙すると泣き喚いて逃げ出したくなるから人間は弱いなあと思う。

 

とにもかくにも、退路なし。逃げ場なし、誤魔化しなし。

 

私は進む。

待っていないで走り出す。

 

どんな未来もどんな夢も戸惑っていては始まらない。

私は辿った道が地獄でも最後はハッピーエンドで終わりたい。

 

そういうわけで決意を新たに明日の初めての中国語の授業、胸を張って行ってきます。

 

おやすみなさい。