紋浪ちゃんの覚え書き

気になることとか拙い和訳とか

韓国帰りのイケメン来了!

 

にーはお。

私です。

 

さて、前回の日記でN5事件のことをかいた。

 

 

さて、このN5事件の起きた直後に劳动节という中国のゴールデンウィークがやってきた。

 

このゴールデンウィークゴールデンウィークでセーラー服着て中国のコミケ行ったり、電動バイクの後ろに乗せられて車道走り回ったりいろいろ楽しかったけど、まあこれは置いとくとして。

 

このゴールデンウィークがおわってすっかり疲れきった私は同居人と殷くんと自室でダラダラしてた。

張くんはゲームしたいからうちには来なかった。

私の家はゲーム禁止なんだ、ごめんな張くん。

 

そしたらいきなりボスの腹心の趙さんから電話がかかってきた。

 

「今からあなたの家に行くぞ」

 

とだけ行って電話が切れた。

この、趙さんと言う人は、ボスの腹心で棗庄に住んでて、気のいいおっさん。

たまにうちに来ては、3人の学生に私が授業をしてるのをみて帰る。

 

今日もそんなもんだと思ってたから私たちはダラダラおしゃべりしながら待っていた。

 

待つこと30分。

 

「你好!」

 

と元気よくやって来た趙さん。

 

「土山先生、仕事は順調ですか?2人の日本語はどうですか?」

 

と聞く趙さん。

 

「大丈夫ですよ。なんとかなりそうです」

 

と答える私。

 

今日の趙さんはなんだかご機嫌だ。

おかしい。

なんだか嫌な予感がして来た。

 

そしてその予感は大当たりすることになる。

 

「新しい学生が来ますよ」

 

聞き間違えかと思って、同居人と殷くんの顔を見ると2人ともかなり驚いた顔をしてる。

これは聞き間違えではなさそうだ。

 

「男?女?」

 

と聞く殷くん。

 

「男子です。背が高くてイケメンで韓国語が上手です」

 

情報が多すぎるのと新しい学生という逃避したい現実と趙さんの方言がきつすぎるのとでわけがわからなくなって来た私は、隣にいた同居人に、

「新しい学生って韓国人だって言ってんの?」

とんちんかんな質問をして気を紛らわせようとすると、

「不是!(違う)」

 

とだけ帰って来た。今から聞き出すから黙ってろとのことであろう。あとで教えてもらおう。

などと思いながら、

なんだか凄まじい勢いで会話してる同居人と殷くんと趙さんの話を一生懸命聞いてたところによると、

 

新しく来る学生は20歳で韓国に一年留学して帰って来たばかりで今年の10月から日本に留学するらしい。

 で、背が高くてイケメンらしい。

 

「いつ来るんですか?」

 

と私が一番聞きたかったことを先に質問してくれる殷くんに心なかでナイス!と言いながら聞き耳立ててたら、

 

「もう来てますよ!」

 

と言われた。

 

私たち3人は新喜劇みたいに床にひっくり返りそうになるのを必死にこらえて、ニコニコ笑顔で新しい学生を迎えに行くために宿舎から出て言った趙さんを見送って。

 

ドアがしまった途端3人で怒涛の会議が始まった。

 

さっき私が聞き逃したことを2人が補填したところで、私たちが考えたことは進度のことだ。

 

今教えてる3人はもう、動作が出てきていて、簡単な会話まで行ってる。

 

もう二ヶ月勉強してるんだ当たり前だ。

 

それなのに新しく来る学生は、

まだアイウエオを知らない。

 

これを一緒に授業するのが無理なことは火を見るより明らかだ。

 

無理に一緒に授業なんかしたら今教えてる3人の足をかなり引っ張るし、

新しい学生だってやる気をなくすだろう。

 

お互い不幸である。

 

そんな話を2人としながら待つこと5分。

 

新しい学生がやってきた。

ついでに彼のパパとママもやってきた。

 

「先生、どうぞよろしくお願いします」

 

と深々と頭を下げられて、私はぶっ倒れそうになりながら頭を下げた。

 

新しい学生は背が高くてイケメンだった。

 

名前は梅(メイ)くん。

 

少し話した感じ、

とんでもないシャイボーイだった。

 

うわー、こーれはこまったぞー。

 

いや、いきなりアイウエオもしらない日本語どころか英語もわからない劉ちゃんと張くんと殷くんを連れてこられた時もかなり面食らったけど、彼らはかなりフレンドリーだった。

 

声が大きくて、おしゃべりが大好きで、喜怒哀楽を全面的に表に出してくる日本人が思う典型的中国人の彼らは初対面の外国人に物怖じしまくる私をかなり助けてくれた。

 

遊びに誘い、ご飯を食べに連れて行き、こっちがわかってようとわかってなかろうと中国語でまくしたててきて、最初こそ疲れたけど、今では本当に友達になれてる。

 

それなのに目の前の梅くんはシャイで私と目を合わせることもしないのだ。

 

うーん、これは厳しい戦いになりそうだぞ。

 

でも、あの3人がやってくれたことを今度は私がこの子にやってあげるんだ、この子も絶対私の友達にするんだ。

 

と思った。

 

とりあえず、新しい学生は3人に追いつくまで私と2人で勉強することになった。

 

故に私の労働時間は一気に二倍になった。

 

同居人(劉ちゃん)と殷くんは私のことを心配してたけど、あのうるさい3人にコミュニケーションもよく取らないうちに混ぜてしまったら、友達になれそうにないし、しばらく2人でやって信頼関係ができてから混ぜていけばいいや、と今は思ってる。

 

「焦らないでゆっくり一緒に勉強しようね」

 

と言ってその日はお別れ。

 

でも、次の日やってきた彼は私の度肝を抜いた。

 

 

なんと、

ひらがなを全部自分で勉強してきたのである。

 

「はやく3人に追いつきたいんです」

 

と言う。

 

劉ちゃんが昨日私に行った言葉が頭を駆け巡った。

「一年で韓国から帰国したってことはそれは韓国語の試験に一年で通らなかったってことですよ。きっと彼の韓国留学は失敗したんですよ」

 

一般的に中国の学生が海外の大学に行くときは一年語学堂に入り勉強して、大学が指定する語学の試験に受かれば大学に入れる仕組みだと言う。

 

つまり通らなければ一年で帰らなければいけないということなのだろう。

 

この辺の詳しい事情は同居人から聞いた話だけだから詳しくはわからない。

 

 

もしかしたら、今回の日本留学は彼にとって最後のチャンスなのかもしれない。

 

3人を凌ぐ気迫を見せる梅くん

 

 

というわけで、

劉ちゃん、殷くん、張くん、に梅くんが加わって私の毎日が中国人に彩られていく。

 

少しずついろんなことを話して私の目を見るようになった梅くんの日本語の勉強はまだ始まったばかり。

 

頑張れ梅くん!

君のために私の労働時間は二倍になったんだ!

はやく3人に追いついて私を楽させてくれよな!

 

でも、無理はしないでね。

 

 

あー、最近くたびれることばかり。

 

そういうわけでくたびれたからこの辺でおしまい。