最近授業が面白くない。
劉ちゃんと張くんと殷くんの授業のことではない。
自分の中国語の授業である。
特に劳动节が終わってから顕著だ。
今私が受けてる授業の構成は韓国人7人と私。
三月にこの授業が始まったころ、韓国人の学生もすごく頑張ってて、私もものすごくやりがいを感じていた。
でも、今は?
授業のレベルがかなり下がった気がする。
韓国人7人はとても仲良しだけど、7人の中で1人だけレベルが突出してる子がいてその子が他の6人に授業中少し解説したりしてたんだけど、そのレベルが高かった子もレベルがすごく下がった気がする。
リスニングの授業は退屈だし、
読解の授業も先生の解説はゆっくりすぎてびっくりする。
え?こんなだっけ?
この数週間で韓国人学生に何があったのだろう?
と思って、同居人に相談したら、
「それは先生の中国語が上がったのでは?」
と笑われた。
そうは言われてもあいも変わらず同居人やら殷くん、張くん、梅くんの中国語は全然聞き取れない。
成長など何も感じてない。
でも昨日、魔法の瞬間が訪れたのである。
それは同居人とリビングで映画を見てた時のこと。
これね。
阿部寛とか日本の俳優が何人か出てて話題になってた映画。
時代劇ということもあって字幕を必死に追いかけて見てる私の横で、中国の時代背景や歴史について色々解説する同居人の説明が一瞬がばーんと直接頭に流れ込んできたのだ。
気がついたら聞き取れていたのである。
それは、唐の時代は服の色で階級が分かれてて庶民が白色、官僚は赤色、王様は何色きてもいいんだよ、だからこの場面で王様が白色きてるのにはなんの意味もないんだよ、という簡単な解説だったけど、
こんな感覚で聞き取れたのは初めてだった。
ああ、ちなみにこの映画はまあまあ良かったよ。
映像がとにかく綺麗だった。ストーリーもまあまあ良かった。
でも、この映画を撮った監督といえば、中国映画の中でも最高傑作の一つ、
さらば我が愛、覇王別姫
これをとった人だから、それを思うとなんだかなあ。
この監督の作品他も見たけど、やっぱりこれに勝てないのよね。
お母さんとこのことを話したら、やっぱり覇王別姫は監督の功績よりもレスリーの功績が大きかったんだろうなあ、という結論に至った。
あのレスリーの美しさは凄まじいものがあった。
何度見ても鳥肌がたつ。
同居人もなかなか覇王別姫を超える作品は撮れないねえ、と言ってた。
名作を撮るのも幸せだけどとった後もずっと比べ続けられるなら名作撮るのも大変だなあなどとぼんやり考えたけど、
この映画は本当にお金じゃぶじゃぶ使ってる感じがとても良かったので是非暇がある人は見て見て損は無いと思う。
ただ、白楽天やら李白やら、阿倍仲麻呂やら、中国の唐代の歴史がわからないと面白く無いところがたくさんあるからそれがちょっと日本人には厄介かなあと思う。
私も同居人の解説がなければ迷子になってたところも多かった。
まあなんにせよ、進歩が実感できたことがあまりに嬉しかったから、3人に自慢したら、
「嘘つきー、先生全然聞き取れてないじゃん!いつも!」
とからかわれて終わった。
そう、どんなにリスニング教材の綺麗な普通語が聞き取れたとしても、
相手にしていくのは目の前にいる中国人なのである。
というわけで、今日も今日とて目の前で訳のわからんことををまくし立てる中国人たちに死にそうになりながらしがみついてるんだけど、しがみついてたらいいこともあるんだなあ、とわかったから検定の勉強もたまには意味があるものだよね。
絶対無理だと思ってたHSK6級のリスニングもこの調子でいけばひょっとしたらひょっとするかもしれない、なんて思いながら明日からも頑張ろう。
明日は同居人と買い物に行くよ。